お口ケア
2019.06.24

口臭の3つのタイプとは? お口やその他の病気が原因の場合も

家族や身近な人から、口臭を指摘されたことはないでしょうか。口臭は自分自身では気づきにくいものですが、相手には不快感を与えてしまいます。
口臭の原因はさまざまです。中にはお口の中だけではなく、全身の病気と関係している場合もあるでしょう。


ここでは口臭の種類や、関係していると考えられる病気、そのニオイの特徴について解説していきます。

口臭には大きく分けて3つある


私たちの口臭は、大きく分けて3つに分類されます。

1.生理的口臭


生理的口臭とは、すべての人が持っている口臭のことです。例えば朝起きたとき、お口の中が臭いなと感じたことのある方は多いでしょう。寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるため、お口の中の細菌が増殖します。すると菌が発生させるニオイの原因物質も多くなり、口臭がきつくなるのです。同じように、緊張したときや空腹のときも唾液の量が少なくなるため、ニオイが一時的に強くなります。

しかし、これらは正常な反応です。そのため、特に治療が必要なわけではありません。会話したり食事したりすることで少しずつ唾液の量が増えれば、ニオイは自然と消えていきます。

2.食物由来の口臭


食物由来の口臭は、その名の通り食べたものによる口臭です。ニンニクを食べたりアルコールを飲んだりしたときは、当然息が臭くなるでしょう。同じように、タバコを吸っている方も口臭が強くなります。

3.病的口臭


病的口臭とは、病気に由来する口臭のことです。この病的口臭のうち、90%はお口の中に由来していると言われています。

例えば、口臭が強いときに最も疑われるのが歯周病です。歯周病になると、お口の中に生息している歯周病菌によって、徐々に歯を支えている周りの骨が溶かされていきます。歯周病菌は嫌気性菌と呼ばれる空気が嫌いな菌のため、主に歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの中に生息しています。そして食べかすなどを代謝する際に、揮発性硫黄化合物(VSC)であるメチルメルカプタンや硫化水素などのニオイの原因物質を発生させるのです。歯周病による口臭は、卵が腐ったニオイ、またはドブのようなニオイが特徴です。

これに加え、「苔」と呼ばれる舌の上の汚れを放置していると、口臭が強くなります。また、進行した虫歯がある方も口臭が強くなるでしょう。

口臭が強いときに考えられるお口以外の病気と、そのニオイの特徴


口臭の多くの原因はお口に由来しますが、中には全身の病気に由来する口臭もあります。

・糖尿病


糖尿病を患っている方は、血糖のコントロールができなくなるため、甘酸っぱいアセトン臭を感じることがあります。

・肝疾患


肝臓は解毒を助ける臓器ですが、その働きが悪いとアンモニア臭を発することがあります。

・耳鼻咽喉系疾患


副鼻腔炎や咽頭炎などがあると、膿のニオイがお口からします。

・消化器系疾患


例えば胃の調子が悪いと、食べたものをうまく消化できないため、口臭が強くなることがあります。

自分でできる口臭を予防する方法



では、口臭をできるだけ少なくするために、どのような対策を取ればいいのでしょうか。まずは、ご自身で行える対策についてご紹介していきます。

・舌を磨く


鏡で舌を見たとき、汚れていないでしょうか。薄っすらと白い色をしている場合は問題ありませんが、真っ白だったり、茶色、さらには黒色をしていたりする方は、かなりの汚れが溜まっています。これらは口臭の原因となるため、落とさなければなりません。舌専用のブラシを使用して、優しい力で落としましょう。回数としては、朝に1日1回行うのが効果的です。舌を傷つけることになりかねないため、やり過ぎにはくれぐれも注意してください。

・歯と歯の間も磨く


歯ブラシだけでは、歯間部を磨くことができません。歯間ブラシデンタルフロスを使用して、歯間部も磨くようにしましょう。

・義歯も磨く


入れ歯をいれている方は、食べた後に外してから入れ歯も洗うことを忘れないでください。そして、就寝前は入れ歯を洗ってから洗浄剤につけて、1日の汚れを落としましょう。

・唾液量を増やす


唾液の量が少ないと、口臭が強くなりやすくなります。こまめに水分補給をしたり、唾液腺マッサージを行って唾液の量を増やしたりしましょう。

唾液腺マッサージの詳しい方法はこちら

歯科医院で口臭を予防してもらいましょう


いくらセルフケアをしっかりと行っていても、磨き残しは誰にでもあります。また、歯周病の方は専門家によるクリーニングをしてもらわなければ、症状が改善されることはありません。特に歯周ポケットの中に潜んでいる歯石や、細菌をきれいに落としてもらいましょう。

また、歯磨き指導を受けて、正しいブラッシング方法や舌の磨き方を習うことも大切です。そして、口臭がお口以外の全身疾患に由来している場合は、しっかりと専門家による治療を受けるようにしてください。

監修者

歯科衛生士
棚橋沙紗

たなはし さあしゃ。歯科衛生士。平成22年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科領域のコラム執筆などにも従事。

OralFirst
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

歯みがき

お口ケア

お口と健康

お口と美

NEWS