お口ケア
2019.09.03

歯についた茶色い汚れ・茶渋の落とし方は?

芸能人のような白い歯には誰もが憧れるものですよね。しかし、実際には歯に茶色っぽい汚れがつき、「黄ばみが気になる」という人も多いのではないでしょうか?

歯が茶色く汚れてしまうのにはいくつか考えられる原因があります。今回は、歯が茶色くなる原因や汚れを落とす方法をご紹介していきます。


歯に着色汚れがつく原因を徹底解説!


虫歯による変色の可能性も……


まず考えられるのは歯の疾患が原因となるケースです。虫歯をそのままにしておくと黒色に変色し、歯根部分にまで影響が及ぶ可能性があります。

歯の表面(エナメル質)は虫歯菌の影響により溶かされてしまいます。エナメル質が溶けた状態からさらに虫歯を放っておくと、歯の一部が茶色く変色し始めます。これはエナメル質に穴があきはじめてしまった証拠です。早めに歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

歯の神経が死んでしまっているケース


虫歯や外傷で歯の神経(歯髄)が死んでしまったり、やむをえず治療で取り除いたりすることで歯が茶色く変色することがあります。

歯の内側には神経や血管が通っており、これらが健全であれば歯は白い状態を保てます。ただし、外傷や虫歯などで歯の内部の血液量が過度に増えると、最終的に血液内の鉄分が着色して、歯が黒ずんでしまう可能性があるのです。

着色汚れ(ステイン)


ステインとは色のついた汚れのことです。この原因は主に食べ物や飲み物、嗜好品です。

  • コーヒー
  • チョコレート
  • 紅茶
  • 赤ワイン
  • ネギ
  • にんにく
  • タバコ

これらは着色の原因となる可能性が高いものです。この中で特に気を付けなければいけないのはコーヒーとタバコの組み合わせで、より歯が茶色くなりやすいため、注意が必要です。

食べ物などで茶色くなってしまうメカニズムについても知っておくとよいでしょう。

歯の表面には「ペリクル」という歯の表面を保護する膜があります。このペリクルは食事によって口内が酸性になることで、溶けてしまいます。30分程度でペリクルは再生しますが、再生とともに着色成分が歯についてしまうことがあります。

食後の着色は、早めにブラッシングすることで和らげることができます。ステインを除去する効果があるといわれる歯磨き粉を使用するのも効果が期待できます。しかし、大前提として正しいブラッシングでオーラルケアを行うことが大切です。

そのほかの原因


そのほか、歯が茶色く汚れてしまう原因としては、大きく分けて3つ考えられます。1つ目は被せ物や詰め物が変色してしまうケース。保険診療で使用される歯科材料のレンジは、5年程度で変色する可能性が高いです。これはレジンは唾液の成分を吸い取ってしまう性質があり、その影響で変色してしまうためです。

2つ目は抗生物質の影響です。一部の抗生物質(テトラサイクリン系の抗生剤)には歯を茶色や黒に変色させてしまう作用があります。これらの抗生物質を永久歯が生える年齢の前に使用してしまうと、将来的に生えてくる永久歯が黒っぽくなってしまう可能性があります。

ただ、このようなリスクを考えても抗生物資を使用し、病気の治療をした方がよいケースもあるため、自己判断で服用を中止する、またはさせることは避け、医師に相談するようにしましょう。

3つ目は加齢によってエナメル質が摩耗して黄色く見えるケースです。歯の内側には象牙質という黄色味のある組織があります。エナメル質が加齢により薄くなると、この象牙質が透けて黄色く見えることがあります。

歯の茶色い汚れや茶渋を落とす方法は?



ホワイトニング


歯を白くする方法として一般的に普及しているのがホワイトニングです。ホワイトニングには、ホームホワイトニングオフィスホワイトニングのふたつの方法があります。

ホームホワイトニングの特徴は「自宅でできること」です。歯科医院に通う必要がなく、忙しい人でも継続しやすいといえます。

また、オフィスホワイトニングと比較しても、白さを維持できる期間が長いともいわれています。しかし、満足できる白さになるまで根気強く継続することが求められます。

一方オフィスホワイトニングは「歯医者さんでおこなうホワイトニング」です。個人差はありますが、ホームホワイトニングよりも早く、白くなりやすいのが特徴です。ホームホワイトニングと比較するとコストはかかりますが、ホワイトニングで素早く効果を出したい人にオススメです。

これらのホワイトニングは歯の被せ物や治療をしている人、歯周病のある人は行えないケースがありますので注意が必要です。

詰め物や被せ物を新しくする


被せ物や詰め物に変色が起こっている場合は、被せ物や詰め物などを新たに行うことで解決する場合があります。

また、クラウン修復と呼ばれる変色した部分だけを削り、上から被せ物をする方法もあります。

マニキュアやブリーチといった方法も


表面を白く塗るマニキュアや、インターナルブリーチと呼ばれる歯の内部を漂白する方法もあります。

しかしこれらの方法はあくまで一時的なものです。インターナルブリーチは数年経つと元に戻りやすく、マニキュアの場合は1~2カ月程度で戻ってしまいます。


歯の着色汚れの原因はさまざまで、なかには口腔内の疾患が原因になっていることもあります。そのような場合はまずは治療を優先して行いましょう。

歯の表面を覆うペリクルによる着色汚れは定期的なケアである程度防げます。ブラッシングなども丁寧におこない茶色に変色しないよう心がけましょう。

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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