ステインは30代・40代になると落ちにくい?
「歯の色が汚れているような気がする……」
年齢とともに歯の黄ばみや、くすみが気になってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その原因には、着色汚れである「ステイン」があげられます。このステインは年齢とともに落ちにくくなってくるのです。
その理由とステインの予防・対処方法をみていきましょう。
年齢とともにステインが落ちにくくなるワケは?
ステインとは、歯の着色汚れのことを指します。その原因は、食物中に含まれるポリフェノール類。コーヒーやカレー、ワインや紅茶、緑茶の茶渋などに含まれています。
歯の表面には「ペリクル」という薄い膜があり、これは虫歯菌が歯を溶かす際に出す酸から歯を守ってくれますが、ポリフェノールと結びつき、表面に色素を付けてしまうのです。
加齢によるステインの蓄積
ポリフェノールを含む飲食の繰り返しでステインは付着していきます。一度ついたステインを落とさずにそのまま放っておくと、長い時間をかけて歯に積み重なって定着していきます。そのため、ステインは20代から目立ち初めて、30代から落ちにくくなっていきます。
さらに、歳をとるにつれて、歯の表面を覆っている「エナメル質」が食べ物などとの摩擦によって薄くなったり、微小な沈着物のせいで、内側に存在する「象牙質」が透けて、それが黄ばんでいるように見える原因の一つとなります。
強いブラッシングをつづけるとステインが沈着
研磨剤入りの歯磨き粉で強くブラッシングしつづけると、だんだん歯に細かな傷がついてしまいます。
その傷に細菌や汚れがついてしまい、それがステインの沈着に繋がることに。
ブラッシングをする際は、毛先が広がらない程度の優しい力で磨くことを心がけましょう。
ステインは沈着する前にすぐ落とす
ステインは時間をかけて蓄積していきます。そのため、長くとどめないことが対策の要になります。
市販のステイン除去グッズを利用する
スーパーやドラッグストアなどのお店で、ステイン除去グッズの購入が可能です。
500~1000円程度で、シートタイプやペンタイプ、スポンジタイプ、超音波タイプ、また消しゴムの様に使う「消しゴムタイプ」など、さまざまな種類のグッズを入手できます。
自分に合うステイン除去グッズを探してみてはいかがでしょうか?
ホワイトニング成分入りの歯磨き粉を使う
歯磨き粉に入っている成分のうち、ステイン除去やホワイト二ングに有効な成分としてあげられるのは「ポリリン酸ナトリウム」と「ハイドロキシアパタイト」の2種類です。
まず、「ポリリン酸ナトリウム」ですが、これは歯の表面に付着した汚れや着色を落としてくれる効果があります。また、同時に歯をコーティングしてくれるので、汚れや着色の再付着を予防する効果も期待できます。
ポリリン酸ナトリウムには、「短鎖ポリリン酸」「中鎖ポリリン酸」「長鎖ポリリン酸」の3種類があります。
茶渋やワインなどの着色汚れの除去には「短鎖ポリリン酸」がオススメ。中鎖・長鎖ポリリン酸よりも、除去効果が強いものとなっています。「EXポリリン酸」と表記されていることもあるので、確認してみてください。
「ハイドロキシアパタイト」という成分が配合してある歯磨き粉は、歯についた汚れの除去や、歯の細かい傷の修復に作用するとされています。
エナメル質に近い成分で、汚れも吸着してくれるので、歯垢や着色汚れも取り除いてくれることが期待できます。
電動歯ブラシのステイン除去機能を使う
電動歯ブラシの中には、ステインを落とす機能がついているものあります。
フィリップスの音波式電動歯ブラシ「ソニッケアーシリーズ」では、上位機種にステイン除去のモードがあり、ステイン除去ができる替えブラシ(ブラシヘッド)も用意されています。
ただし、電動歯ブラシは、普通の歯ブラシと同じ感覚と力を入れて磨いてしまうと歯に細かい傷ができ、そこに菌や汚れがたまって、ステインを悪化させる可能性もあるので、不安な方は歯医者さんに一度相談してみてもいいかもしれません。
歯医者さんでステインを取ってもらう
ステインの除去は歯科医院でも可能です。
「PMTC」という、歯磨きでは落とせない汚れをとる方法があり、またPMTCでは落とせない強い汚れの場合は「エアーフロー」で除去することもあります。
それだけでなく、自分自身にあった除去方法を知るために、ぜひ一度歯科医院で相談をしてみましょう。
ステイン沈着を予防するには歯磨きやガムも活用したい
食後なるべく早く歯磨きを!無理なら食後に口をゆすぐ
食後になるべく早く歯磨きをして、ステインの原因となる色素を除去しましょう。
時間がない、歯を磨けないという時には、食後すぐに口をゆすぐだけでもしたいところ。
口内の汚れは都度落とすように心がけるとよいでしょう。
ガムを噛んで予防する
ガムを噛むことで、ステインの原因になる成分が洗浄されやすくなります。
食後などにガムを噛む習慣をつけることもステインの予防におすすめです。
飲み物を飲むときはストローを使う
色素の含まれた飲みものを飲むときはできるだけ歯にふれないよう、ストローを使うようにしましょう。
そうすることでステインの原因となる成分の付着範囲を抑えることができます。
普段の生活で、徐々に付着していってしまうステイン。しかし、ていねいなオーラルケアを心がけることで着色汚れは防ぐことができます。
ケアグッズなども活用し、汚れのない白い歯をキープしていきましょう。