お口と健康
2019.04.20

「歯が痛くて眠れない!」痛みの原因や対処法を解説

「歯があまりにも痛んで眠りにつけない!」という辛い経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか? この記事をご覧になっている人のなかには「今その痛みで悩んでいる……」という人もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は就寝に支障がでるほど痛みがある場合に、応急処置としてできることをご紹介していきます。また、「痛みの原因がわからない」という人向けに考えられる原因も解説しています。

注意してほしいのは、これから紹介する対処法はあくまで応急処置であって、痛みの根本的な原因を解決するものではないということです。

特に、虫歯歯周病が原因で痛みが深刻化しているのであれば、かなり症状が進んでいる恐れもあります。

歯医者さんに行くまでに少しでも痛みをおさえるための方法として、ぜひ参考にしてみてくださいね。


痛くて眠れないほどの歯痛……原因は?


「夜眠れないほど歯が痛む……」そのなかでもいちばん多い原因が虫歯だと考えられます。

一概に虫歯といっても形容される痛みはさまざま。なかには虫歯からくる痛みを頭痛などと感じる人もいれば、顎全体が痛く、具体的にどこが痛いのかわからないという人もいます。

虫歯が軽度であれば、冷たい飲み物など外からの刺激で痛みが起こる程度ですみます。

しかし、夜何もしていないのに痛みが起こるということは「自発痛」である可能性が。これは虫歯による侵食が歯髄など歯の根元の部分にまで進み、神経部分にまで到達したときに発症します。また、本来歯の表面を覆っているエナメル質が削れて、象牙質(痛覚を感じる部分)が露出されてしまうと、痛みが起こりやすくなります。

虫歯や歯周病の原因は、歯の表面を覆う薄い粘着性のある唾液由来の膜であるペリクルに付着したり、歯周ポケット内に侵入したりする嫌気性の細菌です。その菌の集合体が歯垢の塊となって、食品などに含まれる糖分を栄養源に増殖しています。

この細菌は空気にふれることを嫌い、歯の奥へと進んでいく性質があるため、放置しておくと歯の根の先端から血流に乗って全身に広がり心臓病や脳梗塞など、さまざまな疾患を誘発するなど恐ろしいリスクもあるのです。

夜間での痛みが強く起こることは危険信号と考え、一刻も早い治療を受けるようにしてください。

それでは、次に歯科医院に行く前にできることをご紹介します。

歯科医院に行くまでにできること



歯科医院に行くまでの応急処置としておこなっておきたいのは、痛み止めの服用です。もしも、歯科医院で処方されているもるならがあれば使用量を守って服用してください。
薬が効くまでに多少の時間がかかるため、それまでは氷嚢などで顎や痛む部分を冷やしましょう。患部の温度が下がると痛みはおさまりやすくなります。

また、口のなかに残っている、ブラッシングでは取り除ききれなかった食べカスが患部を刺激して痛むケースも。可能な限り口の内部の汚れを除去しておきましょう。

避けるべきなのは、指でいじるなどの行為です。患部を直接刺激するのは厳禁です。雑菌が傷んでいる部分に入り込んで悪化してしまう危険性もあります。

アルコールやタバコの煙も歯の痛みを悪化させる可能性があります。虫歯の治療中はできるだけ控えておくのが改善への近道となるでしょう。

歯髄炎になっている場合は?


虫歯が進むと、歯の根っこ部分にある歯髄が炎症状態に陥ります。こうした原因によって引き起こされるのが歯髄炎です。

歯髄炎になると、夜寝るときに痛みが生じるだけでなく、冷たいものや酸味が強いものが刺激となって刺すような痛みが起きてしまいます。

歯髄炎を放っておくと歯の組織が壊死する危険性が。口内の環境が著しく損なわれるため、口臭が強くなるなど日常生活で周りに不快感を与える可能性もあるのです。

歯髄炎を、根本的に解決するには歯科医院での専門的な検査や治療が必要となります。
根尖性歯周炎などさらに歯の組織が侵されていると歯科医師が判断した場合は、抜歯をすることもあります。これは最悪のケースですが、抜歯後はブリッジや義歯、インプラント治療などで失った歯を補うことになります。

親知らずの炎症の場合も


親知らず(智歯)が伸びることでほかの歯や組織を圧迫して痛みが起こる場合があります。この場合、ずきずきとした鈍い痛みを感じる人が多いようです。

また、生えてきた親知らずがすでに確認できる場合、親知らず周辺のブラッシングケアが不十分だと、そこで虫歯や歯肉炎(智歯周囲炎)が発生することも。

親知らずが痛む場合は、虫歯や歯肉炎(智歯周囲炎)になっていないかどうか検査をしてみるのもよいでしょう。


ご説明したように、夜に歯が痛むおもな原因は虫歯や歯周病、それらを原因とする歯の根元部分の炎症となります。

体質等もありますが、日頃のブラッシングやフロス使用などのケアが不足していないかどうか、見直しをしてみてください。

自分にあう歯ブラシを探してみたり、歯間ブラシを日頃のケアとして取り入れてみたりするなどして、適切に歯垢を取り除くようにしましょう。歯科医院で定期的に歯石除去をしてもらうことも効果が期待できます。

口腔エリアでの外傷のほか、「歯科医院で治療を受けた後にも関わらず痛む」など思い当たる特定の要素がある場合はすぐに受診をしてください。

こうした緊急時には、かかりつけの歯科医院があると頼れます。もし、歯科医院に通う習慣がないという人は、お住まいの近くで評判のよい歯科医院を探しておくのもよいですね。

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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