お口と健康
2019.07.12

歯がうずく……、その原因や対処法は?

人によって感じ方に差はあるものの、「うずくような歯の痛み」とは歯や口、あるいは顔全体に重い痛みが続く状態を指します。また、歯がうずく瞬間もさまざま。ブラッシング中や食事中など特定のタイミングで痛みが生じるという人もいるようです。

今回は歯がうずく時があり困っている方向けに、状況別に考えられる症状をご紹介。
自分の症状に当てはまるかどうかチェックしつつ、気になる場合は早めに歯科医院を受診することをオススメします。


歯の治療後にうずく場合


まずは、虫歯などの治療後に歯がじんじんとうずいたり、飲み物がしみやすくなったりするケースです。

治療で歯の神経を取り除いた後に起こる例もあるようですが、頻度としてはまれです。また、詰め物・被せ物治療を受けた後にも口内に違和感が残る可能性があります。

また、虫歯によって歯の表面組織であるエナメル質、その下の層の象牙質が損なわれると、外部からの刺激によって歯がうずく場合も考えられます。

しかし、これらの症状は治療をおこないしばらくすると、歯は外部からの刺激から神経を守るために自己防衛するように、神経の周りに新たな象牙質が形成され、うずくことが改善する場合もあります。

そのため、治療直後は違和感があるかもしれませんが、しばらく様子をみてください。違和感が続く場合は治療を受けた歯科医院で状況を説明し、再び診てもらいましょう。

特定の場合に歯がうずく場合


ブラシや冷たい飲み物が触れるとうずく


決まったタイミングで歯がうずく場合は、知覚過敏である可能性も視野に入れておきましょう。

知覚過敏とは、冷たい飲料水や歯ブラシが象牙質(痛覚がある部分)を刺激して、痛みが起こる症状です。

象牙質は、通常であれば歯の表面にあるエナメル質に覆われています。しかし、歯周病などで歯肉が下がったり、ワインや日本酒などの酸性の飲料を常飲しすぎたりすることで、露出した象牙質の象牙細管と呼ばれる神経にまでつながる管の中のミネラル成分を溶かすことで、しみるような痛みが起こります。

また、事故などで歯が欠けてしまうことで知覚過敏が起こるケースもあるようです。

食事やブラッシング中に不快感を覚える方は一度、治療を検討することをオススメします。

断続的に歯がうずく場合


虫歯が進行している


「常に口内がうずく感じがする」「就寝中も歯や歯肉のうずきが気になる」という方は要注意です。

なぜなら、虫歯菌による侵食が神経にまで到達してしまっている可能性があるから。こうなると、虫歯の根本的な治療が必要となります。断続的な痛みが続く際は、虫歯がさらに進行する前に治療を受けましょう。

「歯の神経を抜くのは大丈夫なの?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、虫歯の進行を止めるためにやむをえず行われる場合があります。

歯ぎしりなどが原因になっているケースも


歯ぎしり食いしばりをするくせがあり、無意識のうちに歯や歯肉を圧迫してしまっていると、口の中に痛みが生じる可能性があります。

人間の噛む力は強く、想像以上に歯や歯肉に負担をかけてしまいます。歯が摩耗してしまうと象牙質があらわになってしまい、知覚過敏になることも考えられます。

歯ぎしり、食いしばりはマウスピースなどで治療が可能です。なぜか、口が疲れているように感じたり、顎が痛んだりする人は要注意です。

歯ぎしりや食いしばりが癖になっている場合は、心理的ストレスが原因となることも。ストレス源を特定し、できるだけ解消するように努めてください。

歯の病気のほかに原因があることも



非歯原性歯痛とは?


非歯原性歯痛の原因は実にさまざま。そのため、まずは症状を特定する必要があります。
日常のストレスや歯科医院恐怖症など、精神的なプレッシャーが痛みとなって現れる場合があります。これは、どちらかというと脳が「歯の痛み」を誤って認知してしまう状態だといえるでしょう。

口内にまったく異常がみられない場合はこうした可能性があるということも頭に入れておくとよいでしょう。


歯がうずくといっても、人によって程度はさまざま。少しでも違和感があるのであれば、早めに歯科医院を訪れ、くわしく検査してもらうことをオススメします。口内に原因がないことを確認することで、安心できる可能性もあります。

検査の際は、どういったタイミングで歯がうずくのか、痛みの様子(断続的に痛む、波のように痛みがくるなど)を観察して、歯科医院に伝えてください。

歯がうずく原因が虫歯にある場合、症状がかなり進行している可能性が高いです。できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。「自己判断は避け、早めに診療を受ける」ことを優先してください。

また、以前に虫歯と診断されたことがあるという人や、歯垢歯石がたまっていると注意されたことのある方は、ブラッシングの方法を見直すことも大切です。

ブラッシングを自己流でおこなっている場合、汚れの取り残しが起きやすくなってしまいます。

寝る前のブラッシングをさぼりがちだったり、不適切なブラッシングをおこなっていたりすると、夜寝ているあいだに虫歯や歯周病の原因となる菌がどんどん増殖してしまいます。

歯がうずくという人は、正しいブラッシング方法を歯科医院で指導を受けたり、デンタルフロス歯間ブラシを併用してみたりと、工夫してみてはいかがでしょうか?

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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