お口と美
2018.12.14

年齢とともに歯は黄ばむ?その原因と改善法

私たちの歯は、日々いろいろな刺激にさらされています。気付いたら黄ばんでしまっている……、なんてことも珍しくありません。
毎日の歯磨きでは、なかなか落ちない歯の「黄ばみ」。その原因や改善方法について、詳しくご紹介します。


歯の黄ばみの原因とは?


歯の黄ばみの原因は、主に外からの刺激(外的要因)と内からの刺激(内的要因)の2つに分けることができます。

外的要因とは食べ物、タバコなどがあります


外的要因の代表例は、「飲み物」。コーヒーや紅茶、赤ワインなどステインが含まれた飲み物を日常的に多く飲む人は、歯に着色しやすくなります。
カレーやトマトソースといった色の濃い食べ物も、歯を黄ばませる原因となります。
タバコによる歯の着色も外的な要因に分類の一つ。
これらはいずれも、歯の表面に着色性の物質が沈着することで、黄ばみや黒ずみを生じさせているのです。

内的要因には薬剤、加齢などがあります


歯の黄ばみや黒ずみは、内側からの刺激によっても起こります。たとえば、「テトラサイクリン」という抗生物質が歯列全体を黄色に変色させるというケースがあります。こちらは、「テトラサイクリン歯」という言葉が作られるほど、一般的な症状となっています。
しかし、テトラサイクリンを服用することで、歯の変色が必ず起こるということではありません。
歯が形成される時期に、テトラサイクリンの継続的な服用があると、歯が変色するリスクが高まるということが判明し、現在では8歳未満の小児に対する投与が控えられています。

また、内的な要因による歯の黄ばみとして、「加齢」による変化が挙げられます。
歯の表面のエナメル質というのは、人体で最も硬い組織ですが、加齢によって徐々に減って薄くなっていくことが原因です。

エナメル質の減少が色の変化につながる?



すり減ったエナメル質は再生しない組織


エナメル質は、加齢によって減少していきます。これは日々、硬いものを噛んだり、歯ぎしり食いしばりにより、エナメル質どうしがこすれ合ったりすることが原因です。
エナメル質というのは、一度擦り減ると、再生することのない組織ですので、年齢を重ねるごとに減少してしまいます。

歯はもともと黄ばんでいる?


私たちの歯は3構造で形成され、最も外側に「エナメル質」があり、そのすぐ下は「象牙質」という組織で覆われています。さらに下に行くと「歯髄腔(しずいくう)」と呼ばれるスペースが存在していて、歯の神経や血管が収められています。
普段私たちが目にしている歯の色は、一番上の歯の表面である、エナメル質の色ということになりますが、エナメル質は、もともと真っ白な組織ではないという点に注目しなければなりません。

なぜならば、エナメル質は半透明な構造をしているため、健康な人であっても、内側の象牙質の色が透けて見えています。
人類の肌の色が一人ひとり異なるように、象牙質の色にも個人差がありますが、黄色みがかったクリーム色をした組織です。その黄色みがかったクリーム色の象牙質がエナメル質表面から透けることで歯が黄ばんで見えるものなのです。

基本的に歯は少し黄ばんで見えるくらいが正常であるため、たとえば真っ白な差し歯などを装着すると、逆に目立ってしまうことも珍しくなく、自身の歯の色に合わせた差し歯を歯科医師とともに選ぶ必要があります。

エナメル質が減少することで象牙質の色が目立つようになる


私たちの歯はもともと、象牙質の色が透けて見えるために黄色みを帯びていることはおわかりいただけたかと思います。
経年的な摩耗によってエナメル質が擦り減ると、その下に存在している黄色みがかったクリーム色の象牙質が目立つようになります。
その結果、歯の黄ばみも強くなってしまうのです。

歯の黄ばみの改善方法


歯の黄ばみの改善方法は、外的な要因なのか、内的要因なのかによって大きく異なります。

外的要因による黄ばみの改善方法は?


外からの刺激で歯が黄ばんでいる場合は、改善するのも比較的容易です。着色性の強い食べ物を食べた場合は、直後に歯磨きをすることを心がけましょう。歯磨きが難しい場合には、水で口をゆすぐだけでも効果的です。
すでに黄ばんでしまっている歯は、歯科医院におけるPMTC(歯のクリーニング)やホワイトニングで改善に取り組むことができます。

内的要因による黄ばみの改善方法は?


薬剤や加齢による歯の黄ばみは、食生活の改善や歯のクリーニングで改善することは難しく、歯のホワイトニングで改善できるケースも限られているため、基本的にはセラミックを使った補綴治療などで審美性を回復させることになります。

歯の黄ばみは外的要因と内的要因の2つに分けられ、それぞれ改善方法が異なります。
歯の黄ばみが気になったときは歯科医院で受診してその原因を突き止め、その原因に有効な治療法を提案してもらいましょう。
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