お口と美
2018.10.02

噛み合わせが原因で全身に影響があるって本当?


「虫歯」や「歯周病」は噛み合わせが原因?


虫歯歯周病の大きな原因は、お口の中の歯垢プラーク)。付着したままの歯垢が虫歯菌や歯周病菌の温床となり、虫歯や歯周病になってしまうのです。

噛み合わせが悪くて歯が重なり合ってしまうと、歯垢がつきやすくなります。すると虫歯や歯周病のリスクが高くなり、トラブルの原因になりかねません。
また、噛み合わせが悪くなってしまうと、しっかり噛むことが難しくなり、唾液の分泌に影響を与えます。すると汚れを洗い流す唾液の自浄作用が発揮されず、お口の中の環境を整えられずに虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうのです。

噛み合わせの影響で起こり得る、さまざまな全身の不具合とは?


噛み合わせが悪いと、全身にさまざまな不具合が生じてきます。ここで、具体的な内容をご紹介しましょう。

・頭痛の原因になる


特に無意識のうちに「歯ぎしり」している場合は歯がすり減ったり顎に大きな力がかかったりすることで、顏周りの筋肉に負担をかけてしまいます。
また、噛み合わせのバランスが崩れてしまうとお口の周りの筋肉が緊張した状態になり、酷くなれば肩こりや頭痛などの症状を引き起こす原因となるのです。

・腰痛の原因になる


偏った噛み合わせで長い期間噛んでしまうと、バランスが崩れることで肩や首が緊張状態になります。特に虫歯を長い間放置して片側だけで噛んでしまうと、頭が傾いて重心が上手く取れなくなってしまうでしょう。その結果、他の部分に負担が出て、お口だけでなく肩こりや腰痛の原因になってしまいます。

・胃腸の調子が悪くなる


噛み合わせが悪いままでは、しっかりと噛むことができません。そのため、食べ物をきちんとかみ砕けなくなり、胃腸に負担がかかってしまいます。長期間にわたって噛み合わせが悪いまま食べていると、少しずつ胃腸の調子が悪くなってくるのです。

噛み合わせが悪くなる6つの原因



それでは、なぜ噛み合わせが悪くなってしまうのでしょうか。ここでは6つの原因をご説明します。

・歯周病が進行した


歯周病が悪化すると歯を支えている骨が少なくなってしまい、歯がグラグラしてきます。この状態では、しっかりと噛むことができません。また、痛みが出ればその部分をかばってしまい、偏った噛み合わせになります。

・子どもの指しゃぶり、爪かみ


小さな子どもに見られる指しゃぶり。なかなか止められず長い期間にわたって指しゃぶりを続けると、前歯が押されて「出っ歯」の状態になってしまいます。そして、お口のバランスが崩れてしまうのです。

指しゃぶりは3歳までならば、歯並びに問題がないと言われています。しかし4歳以降になっても続けていると依存して止めにくくなり、歯並びも悪くなってしまうでしょう。なお、爪かみも同様に前歯へ力がかかってしまうので、前歯が出る原因となります。いずれの場合も、噛み合わせを考えれば早めに止めるようにしましょう。

・歯ぎしりしている時


歯ぎしりする人は就寝時のみならず、普段から無意識のうちに歯へ大きな力をかけてしまいます。そして歯ぎしりで顎に強い力が加わると、噛み合わせにも影響を及ぼしてしまうのです。寝ている間は意識するのが難しいので、マウスピースをはめて歯を保護してあげましょう。

・舌で歯を押すくせ


の筋力が少なく舌で歯を押していると、歯が前に出てきてしまいます。通常、舌は上顎の出ている部分に付いているのが正しい位置。意識的に、舌をその部分へ付けるようにしましょう。

・毎回同じ側の歯を使って食事をしてしまう


毎回同じ側の歯ばかりで噛んでしまうと、片方だけに負担がかかって噛み合わせのバランスが崩れます。そのため、左右両方の歯を使って、しっかり噛むように心がけましょう。

・あごの大きさなどの遺伝


あごの大きさや骨格は遺伝することが多いと言われます。小さなあごの場合には歯が並ぶ場所がなくなり、歯が重なり合って噛み合わせが悪くなってしまうことがあるでしょう。



歯並びが大切な理由


歯並びの良さは審美的にも優れており、口元に自信が持てるでしょう。しかしそれ以外にも、予防の面で効果を発揮してくれます。歯並びが良いと虫歯や歯周病のリスクを減らし、お口の環境を整えてくれるのです。また前述の通り、噛み合わせはお口以外にも頭痛や肩こり、腰痛に関係してくることもあります。これは咬合関連痛といわれていて、噛み合わせを改善することで症状が改善されることもあるのです。

また、歯並びがキレイになることでコンプレックスが解消され、笑顔に自信が持てるようになるでしょう。機能面からも審美的な面からもメリットが多く、歯並びと噛み合わせを整えることはとても大切です。

しかし歯並びや噛み合わせは、なかなか自分では改善できるものではありません。気になった場合にはまずカウンセリングを受け、どんな治療方法があるのか確認しましょう。自分に合った治療を選択して、整った噛み合わせを手に入れてください。

監修者

歯科衛生士
廣澤尚子
廣澤尚子 氏の近影

ひろさわ なおこ。歯科衛生士。平成14年4月歯科衛生士資格を取得し、美容外科の歯科部門や歯科医院で勤務。歯科衛生士としての経験と知識を生かし、歯科関連の執筆にも多く従事している。

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