お口ケア
2019.02.21

キツイにんにくのニオイ……消す方法は?

少しのあいだ、同じ空間にいるだけでバレてしまう“にんにくのニオイ”。うっかり大事な予定の前に食べてしまったときにはどうするべきでしょうか?
今回はにんにくクサイ口臭を消す方法について徹底解説!
「りんごはにんにくを食べたあとの口臭に効く」など、よく耳にする話は科学的に正しいのかも確認していきましょう。



にんにくのニオイはどこからくるの?


そもそも、にんにくから発せられる特有のニオイの元は何なのでしょうか?
これは、にんにくに含まれる「アリシン」という物質の放出によるものだとされています。

アリシンは硫黄化合物の一種です。口臭の原因となる成分は嫌気性の口内菌が生成する硫黄系の物質だということをご存知の方もいるかもしれませんが、にんにくには「キツイ口臭成分」と似たような成分が含まれているということになります。

そもそも「アリシン」はにんにくが自然界で生き残るために発生します。にんにくの細胞が虫などによって破壊され、空気にふれると、このアリシンがすぐにつくられ、それ以上食べられてしまうことを防いでくれるのです。

人間がにんにくを食べると、このにんにくに含まれるアリシンが分解され、アリルメプカプタンという物質に変化します。これが一般的にいわれる「にんにくのニオイ」のもとで、硫黄系の刺激のあるニオイが口臭や体臭となって現れてしまうのです。

また、このアリシンはにんにくの中身が空気にふれることで発生します。加熱するとアリシンは失われるため、切らずに加熱するとニオイは比較的おさえることができます。つまり、にんにくのホイル焼きなどはにんにくの繊維を包丁で切って調理するよりニオイが弱いということになるのです。
「どうしてもにんにくを食べたい。でもニオイはおさえたい!」という方は、ニオイが強く出ないにんにくレシピを研究してみるのもいいかもしれませんね。


アリシンは身体に良い?


さて、にんにく臭の正体アリシンですが、決して悪い面ばかりがあるわけではありません。アリシンには健康効果が期待できるのです。

まず、アリシンを摂ることでビタミンB1の吸収を促進する作用がもたらされるといわれています。ビタミンB1は、水溶性ビタミンの一種。水に溶けるぶん、体外に排出されやすいのが特徴です。

ビタミンB1の不足は「脚気(かっけ)」を引き起こしてしまうことは多くの人がご存知でしょう。
脚気はビタミンB1不足が原因で脳や神経系が機能しなくなる病気です。江戸時代には死因のトップを占めており、脚気の原因がビタミンB1不足であることを突き止めるまでに多くの死者が出たのです。

アリシンそのものには強い抗酸化作用があり、身体に有害だといわれている活性酸素を除去する効果も期待できます。また、身体が持つ免疫機能を向上させる働きもあるといわれており、健康のためには積極的に取り入れていきたい成分でもあります。

実際に健康食品としてにんにくが売られているのは、こうした裏付けがあったのです。

にんにくによる口臭を和らげる食べ物・飲み物



しかし、にんにくのニオイを不快に思う人は多いもの。にんにく臭をおさえる方法も知っておきましょう。

「にんにく臭にはりんごが効く」という話を聞いたことはありませんか? しかし、「りんごがにんにく臭を消す」という科学的根拠は見つかっていません。

最近になって、判明したのは牛乳に含まれている脂肪分がにんにく臭を消す効果があるということ。

また、消臭効果と殺菌作用があることで有名な緑茶を飲むことも対処法のひとつです。
ただし、飲みすぎると利尿作用といって体内の水分が尿として流れていってしまい、口内が乾いて口臭がひどくなってしまうので注意してください。

最大の口臭予防は「水を飲む」


もっともシンプルかつ効果的なのは水分補給。にんにくに限らず、口の中が乾くと口臭が悪化しやすくなります。定期的な水分補給を心がけましょう。

また、どんなに気をつけても、食べたあとは口内に食べカスが残ってしまいます。
特ににんにくを食べたあとはすぐに口をゆすぎ、ブラッシングまでするのが理想的なオーラルケアです。


にんにくを食べてしまったあとに行いたい対処方法をいくつかご紹介しました。身体にとって、大きなメリットのあるにんにく。
次の日に予定がなければ思う存分食べたいところですが、人と会うときはエチケットとしてしっかりとケアをしたいですね。

にんにくを食べる際には、今回紹介した「牛乳を飲む」、「水を多めに飲む」などの方法を試してみてください。
また、にんにくを食べた日は必ずその日のうちにブラッシングを。いつもより丁寧なオーラルケアを心がけましょう。


<参考・参照元>
ニンニクとニンニク臭の消臭について
ビタミンB1 | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ
OralFirst
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