お口ケア
2018.09.26

オーラルケアの種類や方法を知って健康な歯を保とう!



オーラルケアはなぜ必要?


オーラルケアという言葉は最近、よく耳にするようになりました。オーラルケアは、お口の中を歯ブラシや電動ブラシ、歯間ブラシデンタルフロスなどを使用して、清潔に保つためのお口のケアです。

私たちの生活の中で、オーラルケアは欠かせないものとなっています。しかし忙しい日常の中では、どうしても歯磨きをおろそかにしてしまう傾向があるのも実情です。では、オーラルケアを怠るとどうなってしまうのでしょうか。オーラルケアの重要性と合わせせてご紹介します。

・オーラルケアの重要性

毎日欠かさず1日3回食後の歯磨きを行っていても、約50%のプラーク歯垢)や食べカスが除去できていないと言われています。もちろん、100%完璧に汚れを除去することは困難です。しかし、歯ブラシに加えて歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、正しいオーラルケアを行うことで、約90%もの歯垢(プラーク)や食べカスを除去できるとも報告があります。歯周病虫歯を防いで生涯に渡り健康な歯を保つために、オーラルケアはとても重要なのです。

・オーラルケアを怠ると口臭が気になるようになる?

食べたものの臭いや胃や腸になんらかの疾患があると、口の中から臭いがすると言われています。しかし、その約85~90%はオーラルケアの不足が原因。オーラルケアを怠ることでお口の中にいる細菌が唾液や食べカスのたんぱく質を栄養にし、口臭の原因である硫化水素を発生させて口臭が気になるようになるのです。そして口臭の原因の中でも約6割が、「苔」と呼ばれる舌の汚れが原因とも報告されています。

・オーラルケアを怠ると虫歯になる?

オーラルケアを怠ると、お口の中にいる虫歯の原因菌であるミュースタン菌が食べカスに含まれる糖を栄養とし、増殖して酸を作り出します。するとネバネバした粘着性のあるバリヤが作られ、1mg中2億~3億にも及ぶミュースタン菌を含む歯垢(プラーク)を形成。エナメル質を溶かすことによって虫歯となり、この過程を脱灰と呼びます。

初期虫歯の段階では唾液に含まれる成分がミュースタン菌の作り出す酸を中和し、エナメル質表面を元の状態に戻す再石灰化を促します。毎日正しいオーラルケアを行えば、脱灰と再石灰化を繰り返して歯の健康を保つことができるでしょう。しかし日常的にオーラルケアを怠ると、虫歯となってしまうのです。

・オーラルケアを怠ると歯周病になるの?

歯周病はアクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A.A菌)などの歯周病菌が歯肉に炎症をもたらし、歯周組織と呼ばれる歯肉やセメント質、歯根膜、歯槽骨を溶かしていき、最終的には歯が抜けてしまうお口の中の疾患です。

歯周病菌は主に酸素を嫌い、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の溝などに住み着きます。その歯周病菌がオーラルケアを怠ることで増殖し、毒素を排出。歯肉を炎症させ、歯周組織を溶かしてしまう歯周病へと発展させてしまうのです。歯周病菌は常にお口の中に住み着いている菌。その増殖を抑えることが歯周病の予防に繋がるため、毎日のオーラルケアはとても重要となります。

オーラルケアってどんなことをすればいいの?


お口の中の清掃と言えば、歯ブラシを使用した歯磨きが一般的です。しかしお口の中の清掃には歯以外にも、歯肉と舌、そしてお口の中全体を清掃するためのアイテムが多数あります。これらを正しく使用して、オーラルケアを行いましょう。

・歯ブラシ

現在、歯ブラシはヘッドの大きいものから小さなものなど、さまざまな種類の製品が販売されています。しかし歯ブラシであればどれでも良いという訳ではありません。自身の親指の幅と同じ幅のヘッドが適していると言われており、自分に合った歯ブラシを選びましょう。

・電動歯ブラシ

電動歯ブラシは電気の力によって音波や超音波などで磨くものであり、その中でもフィリップスの「ソニッケアー」のように音波水流や毎分約31,000回の高速振動で、通常の歯ブラシを使用した場合に比べ、最大10倍の歯垢除去などができるものもあります。歯や歯肉にも負担が少なく、通常の歯ブラシでは除去しにくいステインを減少させることもでき、より効果的なオーラルケアを行うことが可能です。

>>電動歯ブラシの正しい使い方を学ぼう

・歯間ブラシ

歯間ブラシには、歯と歯の間詰まった食べカスを取り除く役割があります。無理に大きなサイズの歯間ブラシを使用すると歯肉などを傷つけてしまう恐れがあるので、自身の歯間のサイズに合わせて歯間ブラシを選びましょう。

>>歯間クリーナーの種類と正しい使い方とは?

・デンタルフロス

歯ブラシで歯を磨いた後は、デンタルフロスを使用しましょう。両指の中指に2〜3回フロスを巻き付け、1~2㎝程にデンタルフロスをピンと張り、歯と歯の間にデンタルフロスを通して数回上下に動かします。デンタルフロスは、部位ごとに新しい部分を使用しましょう。また、エアーフロスに代表される電動デンタルフロスの使用もおすすめです。

>>デンタルフロスは使ったほうがいい?

・舌ブラシ

通常の歯ブラシとは異なり、舌の汚れである舌苔の清掃に適した形状をしている舌ブラシ。舌苔は口臭の原因とされており、歯ブラシと併用して舌ブラシを使用すると良いでしょう。

>>舌ブラシの正しい使い方は?

・マウスウォッシュ

液状の薬液でお口の中を洗浄するマウスウォッシュ。虫歯や歯周病を抑制する働きがあるものや、口臭を予防する効果があるものなどがあります。

>>液体歯磨きとデンタルリンスの違い

正しい方法でオーラルケアを!


上記でご紹介したオーラルケアの方法を正しく身に着け、プラークコントロールを行って健康な歯を保ちましょう。間違ったオーラルケアでは虫歯や歯周病の要望が難しく、生涯に渡り健康な歯を保てなくなってしまいます。

まずはオーラルケアの方法を見直し、今日から正しい方法で取り組んでください。

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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