お口ケア
2019.01.10

虫歯治療ではもう遅い!歯科医院で予防歯科に取り組もう


皆さんは、「予防歯科」という言葉をご存知でしょうか。最近ではテレビやCM、雑誌でもよく取り上げられ、身近になりつつある言葉です。

しかし、まだまだ「予防歯科という言葉を知っているだけ」「聞いたことがあるが、実際何をするかわからない」という人も数多く、歯科医療の課題となっています。
今回は、予防歯科について詳しくご紹介していきます。

予防歯科の目的を知ろう


ひと昔前の歯科医療では、「虫歯になってから歯科医院で治療」というのが当たり前でした。「虫歯はなってから治すもの」と考えであったため、「虫歯を予防する」という概念を持つ人が少なかったのです。

しかし近年、歯科医療だけではなく身体の医療においても「疾患に罹患・発症しないように予防する」ことが重要視されています。

歯科医療では「虫歯にならないように予防する」という概念のもと「予防歯科」の重要性が認識され、歯科先進国であるアメリカやスウェーデンでは当たり前のように定期的に歯科医院を受診し、予防歯科をするという習慣が根付き始めています。そして日本でも、予防歯科を積極的に取り組む歯科医院が増えてきています。

予防歯科では、主に「虫歯」や「歯周病」の原因となる歯垢(プラーク)や歯石等が付着・形成されないためのコントロールがされます。そうすることで、虫歯や歯周病の予防に繋げることができるのです。

歯垢(プラーク)の予防がなぜ大切か


虫歯や歯周病の原因である歯垢(プラーク)は、唾液に含まれている糖やたんぱく質が薄い膜を形成して歯の表面に付着することで発生します。この膜を「ペリクル」と呼び、そのペリクルに口の中に潜む500種類以上の細菌が付着し、住みかとして増殖していくことで歯垢を形成していくのです。

歯垢は、食べカスの塊と勘違いしている人も多く見受けられますが、実際には食べカスなどではなく、口の中に潜む細菌の塊なのです。歯垢1mg中に含まれる細菌の数は約10億個ともいわれ、それら細菌が生み出す毒素によって周りの歯肉や歯に影響を及ぼしていきます。

歯垢は歯石へと変化する


食後4~8時間でペリクルに付着した数多くの細菌は付着・定着・増殖を繰り返し、約2日後には歯垢は石灰化し歯石へと姿をかえます。歯石は石のように硬く、通常の歯磨きでは除去することができません。そのため、歯石が形成される前に歯磨きや口腔内清掃を行って、歯垢の除去をすることが望ましいとされています。

歯垢の完全の除去は、普段のブラッシングだけでは不十分とされています。これは、磨きにくい部分は歯垢等の汚れが溜まりやすいためです。
どんなにていねいにブラッシングをしても、わずかながらも汚れは溜まってしまうもの。その汚れが蓄積されて歯石になり、虫歯や歯周病などが発症すること可能性は十分にあります。

そのようなことが起きないために、定期検診などの予防歯科の重要性が唱えられているのです。

ここで気になるのが、予防歯科で行われる具体的な治療ではないでしょうか。どのような治療によって、虫歯や歯周病を予防しているのでしょうか。

歯石除去はスケーリングで


歯に付着した歯石を、専用の歯科医療器具「スケーラー」を使用して除去していく手法のことを「スケーリング」といいます。
歯垢(プラーク)が石灰化して歯石になると石のように硬くなり、歯磨き等のセルフケアでの除去は不可能となります。そうなると、歯科医院でスケーリングの処置を受けなくてはなりません。

ペリクルを落とすことのできるPMTC


PMTCとは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」のこと。
歯磨きでは落とせない歯垢(プラーク)の元となるペリクルを専用の歯科機器を使用して除去することで、歯垢(プラーク)の形成を予防するものです。歯に沈着した汚れも除去でき、虫歯予防だけではなく歯周病予防にも繋がります。

虫歯予防のためのフッ素塗布


近年、ドラックストアやコンビニエンスストアでもフッ素入り歯磨き粉が販売されるようになり、虫歯予防にはフッ素が効果があることは広く知られるところとなりました。

しかし、ドラッグストア等で購入できるものは、あくまで家庭用のもの。フッ素塗布では、歯科医院でしか取り扱うことのできない高濃度なフッ素を歯面に塗布し、虫歯予防に繋げていきます。
初期虫歯にもフッ素塗布は効果が期待できます。初期虫歯の場合は、フッ素を塗布することで歯に再石灰化を促し改善する働きが見られるのです。

ブラッシングの指導


歯は毎日磨くもの。しかし、普段の歯磨きの方法が正しくなければ、それは虫歯・歯周病予防にはなりません。

歯磨きの方法は、歯並びや口内の状態によって一人ひとり異なります。
自身の口内の状態を把握し、適切な歯磨きを行うためにも、歯科医院でのブラッシング、歯間ブラシやデンタルクロスの使い方などの指導を受けましょう。

歯医者さんに通うだけではダメ?


歯科医院に通うきっかけは、「歯が痛い」「歯肉が腫れた」などの理由がまだまだ多いと思います。通院のきっかけである症状の治療が終われば、通院をやめてしまう人も多くいます。

しかし、せっかくなら手に入れた健康的な口内はキープしていてほしいところ。治療が完了したから終わり、ではなく、予防歯科であるスケーリングやPMTC、フッ素塗布、ブラッシング指導等を定期的に受診していくことをオススメします。

また、予防歯科は定期的な通院だけをさすわけではありません。歯科医院でブラッシング指導を受けたら、毎日の歯磨きなどオーラルケアに生かして、清潔な口内をキープする努力は怠らずに。

生涯に渡って自身の歯で美味しく食事をとるためにも丁寧なセルフケアを心がけていきましょう。

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

OralFirst
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

歯みがき

お口ケア

お口と健康

お口と美

NEWS