お口ケア
2019.02.05

スケーリングは痛い?処置後に痛みが出ることもある?


歯石を取るスケーリングで治療を受けている最中、痛いと感じたことはありませんか。

反対に痛みもなく、お口の中がさっぱりして気持ち良かったという方もいるでしょう。同じスケーリングでも口内の状態や条件によって、痛みが出るときとそうでないときがあります。
また、痛みを感じた場合には処置後の対処で、痛みを軽減できることがあります。

スケーリングによる痛みや痛みが出た場合の対処法について詳しく解説していきます。

スケーリングの処置中に痛みが!どんなときに?


長い時間歯石がついていると痛い!


歯ぐきの上に付着した歯石は、汚れと唾液から作られることが多く、無理なく除去することができます。
しかし、歯周ポケットの奥深い所では歯石が長期間にわたって付着しており、唾液だけなく出血も取り込んで歯に強固に着いています。また、歯ぐきが出血している場合は炎症を起こしていることが多く、歯ぐきの下の部分の歯石を取る際に痛みが生じることがあります。

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歯ぐきが腫れていると痛い……


歯ぐきが腫れていると炎症が強く 、少しの刺激で痛みが出ることがあります。炎症が強い場合には歯石を取る前に抗生剤を服用し、炎症をおさえてから除去すると痛みが出にくくなるでしょう。
腫れがひどい場合は、スケーリングの予約時にあらかじめ相談をしてみてください。

歯周ポケットが深い


歯周ポケットが深い場合には、歯周病が進んで歯ぐきが強い炎症を起こしていることが少なくありません。そのため、少しの刺激でも傷ついてしまうことがあるでしょう。
細心の注意を払って歯石を取っていても、このことが原因で痛みが生じる場合があります。

使用するスケーラーの出力設定


最近では超音波の機械(スケーラー)で歯石を取ることが多くなりました。しかしその出力が強すぎると、痛みが出てしまうことも。そのため、口内の状態によって、歯ぐきが退縮している場合など出力を下げて歯石を除去するなどの対応が必要です。

なお、施術する歯科衛生士によって出力は管理されているので、施術する人の技術力も歯石除去の痛みと関係していることがあります。

スケーリング処置後に痛みがでることも?


歯ぐきが痛い……


歯周ポケットが深く、その深い部分に汚れがこびりついていると、歯ぐきの中で細菌が増殖して炎症を起こしていることが多いでしょう。
そうした場合には、歯石を取った刺激で痛みが出ることがあります。

しみるような痛み……


歯石は歯周病や虫歯の原因となることもあります。そのため、歯石は定期的な除去を勧められています。
しかし歯石が付着している状態の歯は、歯石が歯の象牙質を覆っているため、歯への刺激を軽減させている場合があります。そのため、歯石を除去することで一時的に「知覚過敏」のような症状が出ることがあるでしょう。

ただし、歯石をそのまま放置しておくと、口内にさまざまなリスクを抱えてしまうことになります。歯石除去後、一時的にしみるとしても数日すると落ち着いてくることが多いので、少し様子をみるようにしてください。

痛みが出た場合の対処法は?



歯磨き粉を変える


痛みの症状が出た場合には、歯ぐきがしみる症状に有効な成分が配合されいてる歯磨き粉を選ぶことをオススメします。
知覚過敏に効果的とされる、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムを配合しているものを探してみてください。

痛み止めを飲む


歯石を除去した際に生じる痛みは虫歯の痛みとは違い、持続的な痛みが出ることは少ないでしょう。
スケーリングして痛みが出た場合でも、痛み止めを飲むと症状が落ち着くことがほとんど。もし持続して痛みが続くときには、歯科医院で相談してみてください。

スケーリング時の痛みを減らすためには?


定期的なスケーリングをする


痛みを減らすためには、歯石が付着したら早めに除去することが大切です。強固に付着してしまうと、歯石を除去する際にも強いパワーが必要となり、痛みの原因となることが考えられます。また、炎症が強いと歯ぐきが少しの刺激でも痛みを感じやすくなるでしょう。

麻酔を使用する


歯ぐきの深い部分にある汚れを除去することや、除去の際に生じる痛みに不安を覚える方には、麻酔を使用して痛みを感じない状態でスケーリングする方法もあります。

麻酔は痛みが出なくなるだけでなく、出血がしにくくなることも。 少しでも痛みが生じないよう「表面麻酔」を行ってから麻酔注射をしてくれるなど、痛みの軽減に取り組んでいる歯科医院が増えています。

歯石の除去で痛みが出ないようにするには、健康的な口内状態をキープし、一定期間でスケーリングを受けていくことが大切。逆に長期間放置していると痛みが出やすく、歯ぐきに炎症が起きるリスクも高くなってしまいます。

痛みに対するストレスが強い方は、スケーリング前に表面麻酔をすることで痛みを感じにくくすることができます。
あらかじめ、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。痛みが出た際は、痛み止めや歯磨き粉で痛みのストレスを減らすことができます。

スケーリングの痛みを怖がらずに、定期的な歯石除去で健康的な口内環境をキープしましょう。

監修者

歯科衛生士
廣澤尚子
廣澤尚子 氏の近影

ひろさわ なおこ。歯科衛生士。平成14年4月歯科衛生士資格を取得し、美容外科の歯科部門や歯科医院で勤務。歯科衛生士としての経験と知識を生かし、歯科関連の執筆にも多く従事している。

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