歯科衛生士えりが矯正治療を解説、不安を解消します!(全顎矯正編)
歯科衛生士の平澤愛理です。今回は全顎矯正についてお話ししていきます。
前回少しお話ししたように全顎矯正は、上も下もすべての歯を動かし、“見た目+噛み合わせ”を改善する治療のことです。
全顎矯正にも種類がたくさんあります。
絶対に抜歯をしなくちゃいけないの?
全顎矯正をしたい!となったときに、まず最初に決めなくていけないのは抜歯矯正か非抜歯矯正かということ。
カウンセリングをしていると、全顎矯正は必ず歯を抜かなければいけない、と思っている人が多くいます。ですが、実はそんなことはありません。
患者さん一人ひとりの歯並びや骨格、治したい部分やなりたい仕上がりによりそれは異なります。
それでは抜歯矯正と非抜歯矯正の違いについて解説していきましょう。
抜歯矯正のメリットとデメリット
抜歯矯正とは(その人の元々の歯並びによって異なりますが)一般的には犬歯の隣の歯を上下左右4本抜き、歯並びをきれいにしていく方法のことをいいます。
健康な歯を抜くので健康的な治療法とはいえません。期間としては3~4年もしくはそれ以上が一般的です。そして何より審美優先の治療なので、噛み合わせの改善はしないことが多いです(場合によっては矯正前よりも噛み合わせが悪くなってしまうことがあります)。料金は120万前後となります。
私がカウンセリングする上で、抜歯矯正をお勧めするのは横から見て鼻の下(付け根)の骨が出ている人、もしくはその部分が気になっている人です。
鼻の下の骨とはこの部分です。
ここがこんもりと出ている、また引っ込めたいという方は抜歯矯正をするか、骨切り術という整形手術をしないと改善しません。
逆にこの鼻の下が気になっていないという方は、抜歯矯正をせず、非抜歯矯正でも基本的に対応できます(歯並びの乱れがかなり重度の場合は抜歯しないと難しいこともあります)。
抜歯矯正は鼻の下の骨が引っ込み、Eライン(横顔の鼻先と顎先を直線で結んだラインのこと)がきれいになると世間一般ではいわれていますが、もちろんデメリットもあります。
また、鼻の下の骨があまり出ていない人が抜歯矯正をすると、骨が引っ込みすぎて歳を重ねた時にほうれい線が出やすくなることが多いといわれています。
抜歯矯正にはこういったデメリットも多くあるのです。
非抜歯矯正のメリットとデメリット
一方、非抜歯矯正は歯を抜かずに奥歯をしっかり動かして歯並び・噛み合わせを改善していく方法です。見た目もきれいに治したいけど、噛み合わせも妥協せずしっかり改善したいという方はこちらがオススメです。
しっかり非抜歯矯正で噛み合わせを改善すると、肩コリや偏頭痛が改善することも。期間は1~2年ほど(抜歯しない分、抜歯した隙間を埋める必要が無いため期間もかなり早く終わります)。
装置の種類は抜歯矯正、非抜歯矯正ともに表側(唇側)に付けるワイヤー、舌側ワイヤー、マウスピースなどがあります。
今人気なのがインビザラインというマウスピース矯正です。
インビザラインはアメリカで生まれた矯正で、ワイヤーの矯正とは違い写真のような透明のマウスピースを付けて歯を動かす方法のこと。
他人から気づかれたり装置が目立ったりという心配はほとんど無いため、矯正をしたいけどワイヤーを付けたくない、仕事柄ワイヤーを付けられないという方にはとってもオススメ!
何十個もあるマウスピースを自分で交換して付けていくだけなので来院回数も数カ月に1回などと少なく抑えることができます(ワイヤー矯正は月に1回)。
矯正期間は、マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて少しずつ動かすため、矯正期間も1.5~2倍ほどかかることが多いですが、その代わり痛みや違和感はワイヤーと比べるとほとんど感じないと思います。
金額は80万前後とワイヤー矯正と比べて低価格なことが多いです。
全顎矯正は部分矯正と比べてすべての歯を動かせるため、全顎矯正のどの治療法を選択しても妥協なくきれいに仕上がります♡
そして前回の記事で書いたように、全顎矯正も必ず保定期間が必要です。この期間、リテーナー(マウスピース)を付けることをサボってしまうとすぐに後戻りしてしまうので要注意です♡
矯正を検討してる方のプラン選びの参考になるとうれしいです。