面談や商談……ビジネスシーンで大切なのは「口臭」だった
事実、よりよい人間関係の構築について多くの本が出版されています。そこではさまざまなハウトゥが紹介されていますが、そこで共通しているのは、「第一印象」が今後の関係構築において重要になるという点ではないでしょうか。
第一印象についてはポスチャー(姿勢)や話し方など、相手に安心感を与えるための方法が書籍では多く紹介されています。しかし、対面する相手によい印象を与えるには視覚や聴覚に訴えるだけではいけません。
そこで重要になってくるのは「ニオイ」です。今回はタイトルにもある通り、口臭が対面する相手に与える影響を解説していきます。
どれだけビジネス書を読んで勉強をしていても、口から不潔なニオイがしたらアウト。この機会にしっかりと自分の口臭ケアを見直してみましょう。
“スメハラ”という言葉を知っていますか?
近頃、スメハラという言葉がネット上でみられるようになってきました。
スメハラとは「スメルハラスメント(においのハラスメント)」の略。香害という言葉がありましたが、それと近いものです。
「きちんとケアをしていないのでは」と感じるような口臭や体臭。それだけでなく、香水やタバコ、お酒のニオイなどもスメハラの一種とされています。
また、中年期をむかえた男性には耳が痛いかもしれませんが、きつすぎる加齢臭も不快に感じる方がいます。
「たかがニオイぐらいで!」と侮っている人ほど要注意。
実際に、口臭が原因で得意先の担当を断られたり、部下が異動願いを出したりするケースがあるようです。それだけニオイは人によって感じ方が大きく異なり、「いてもたってもいられないニオイ」があるということをまず理解しておくことが大切です。
特に、口臭の場合は「不潔」というイメージに直結してしまうため、絶対にケアしておきたいところ。
食後の口内ケアは必ず行うように心がけてください。場合によっては、マウスウォッシュなどを用いるのもよいでしょう。
往々にして自分のニオイには無自覚になりがちです。「自分の口臭はどれぐらいの強さなのかいまいちわからない……。」という方は、口臭チェッカーなどを使ってみるのがオススメです。
口臭チェッカーは口のなかのガス量を計測できるようになっており、臭気ガス量を数値で示してくれます。あくまで参考としての数値ではありますが、自身の口臭を客観的に把握するうえでは便利なツールといえるでしょう。
他人の口臭を不快に感じるビジネスパーソンは多い
周りの人が口臭に対して不満を抱く、というのは決して他人事ではありません。
大手就職エージェントが実施した調査によると、なんと回答者の80%は「自分の周りの人の口臭が気になった経験がある」と述べています。
ここで、自身の経験を振り返って考えてみましょう。
今までにふとしたときに同僚や得意先の口臭が気になった経験はありませんか? そして、「臭い」と感じた記憶は、比較的鮮明に覚えているのではないでしょうか?
問題は初対面のときです。特に、ビジネスの世界であれば初対面でのあなたの印象は今後の関係に大きく影響を与えます。初めて会った人の印象はおおよそ10秒以内に決まるといわれています。
これは「初頭効果」と呼ばれており、最初に第一印象が定まると、今後なかなか変わることはありません。
嗅覚は記憶を司る大脳辺緑系と関連が深く、嗅覚に関連する記憶は印象強く残りやすいといわれています。つまり、「口臭が気になる人」という印象を持たれる可能性は大いにあるということ。
初めて会う人と対面する前には念入りな口臭チェックを忘れずにおこなっておくことが賢明といえるでしょう。
口臭は歯周病と関係していることも……
口臭を改善する際に知っておきたいのが「歯周病と口臭」との関係です。
口臭といっても、食べ物が原因となって起こっている場合もあれば、モーニングブレスと呼ばれる寝起きの口臭など生理現象として口のニオイが強くなっているケースもあります。
上記の原因で口臭がでているようであれば、ブラッシングなどのケアをおこなうことである程度の改善ができますが、問題は口臭が歯周病に起因しているケース。
実は、日本人の多くは知らずのうちに歯周病にかかっているといわれています。そのため、早いうちから歯周病対策をしておくことが大切です。
放っておくと歯周病菌がガスを発生させるため、口内のニオイはひどくなります。歯周病は全身病に発展することもある病気なので油断は禁物。ブラッシングだけでなく、歯間ブラシなどを活用して歯垢が残らないようにしたいですね。また、歯科医院での定期的な歯石除去も口内環境のキープには重要です。
ビジネスだけでなく私生活においても、口臭がキツイことでおきる損失は予想以上に大きいもの。日ごろのケアが大切です。
また、口臭の原因は口内の病気である可能性も考えられます。自身の健康のためにも、定期健診など予防歯科を受けることをオススメします