お口ケア
2019.04.22

喫煙は口臭を悪化させる。対策はある?

喫煙のあと、口臭が気になってしまうという経験を持つ方はいませんか? タバコの臭いだけでなく、喫煙が引き起こす口臭のリスクによって、口臭がひどくなっているということもあります。


口臭は周囲の人に迷惑をかけることになりますし、口臭を気にしながら生活するのはストレスになってしまいます。
今回は、喫煙による口臭の原因と、臭いの対策法についてご紹介していきます。喫煙による口臭が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

喫煙の口臭とは?


喫煙者以外の人にとって、タバコの臭いは不快に感じられることが多いでしょう。
実際のところ、タバコの臭いだけで「息が臭い」とまで思われることは少ないようです。しかし、自分の口臭を正確に把握することが難しいですよね。自分では気付かないうちに周りから「口臭が気になる」と思われている可能性もあります。

喫煙の口臭はタバコの臭いだけではなく、口内の臭いと混ざり合うことで、より強い臭いを出します。そして喫煙には、口臭を引き起こすリスクがいくつもあるのです。まずはタバコに含まれる成分から、口臭の原因となるものについてご説明していきましょう。

口臭の原因となる成分とは?


  • ニコチン

タバコに含まれるニコチンは、毛細血管が収縮して血流の働きを悪くします。血流の働きが悪くなると唾液の分泌が少なくなり、細菌を洗い流す効果が減少して口臭の原因となります。

  • 一酸化炭素

タバコは燃えるときに、一酸化炭素を発生させます。この一酸化炭素は酸素を運ぶヘモグロビンと結合して、口内に酸素を運ぶことを妨げてしまうのです。
その結果、酸素濃度が少なくなり、唾液の分泌を減少させてしまい口臭がひどくなってしまいます。

  • タール

タールはタバコのフィルターを変色させる成分で、や歯、歯石などに付着して独特な臭いを発します。
唾液が十分に分泌していれば、その唾液がタールを洗い流してくれます。しかしニコチンや一酸化炭素によって唾液の分泌が少ない状況だと洗い流すことが難しく、口臭の原因になります。

喫煙が引き起こす口臭リスク



喫煙をすると、毛細血管が収縮して血流が悪くなります。そうすると十分に血液が行き渡らなくなり、免疫力が低下して歯周病菌が増えやすくなってしまうのです。
歯周病菌が増殖すると歯ぐきの炎症や腫れの原因となり、歯周病のリスクが高まります。

また、歯周病が発症すると、歯ぐきの腫れや膿などによって口臭がひどくなることも。原因が二つになることで、強い口臭を発してしまうことになります。


舌に付着した白い苔のようなものを、「舌苔(ぜったい)」と呼びます。この舌苔は、細菌や食べかすなどが付着したものです。
喫煙で唾液が減少すると、舌の汚れもこびりついて落ちにくくなり、舌苔の量が増えていってしまいます。この舌苔が増えると、食べかすを餌に細菌が増殖して臭いの原因となります。

  • 膿栓ができる

膿栓(のうせん)は細菌の死骸の塊です。口呼吸になると鼻呼吸よりダイレクトに細菌がのどを通過するため、膿栓ができやすくなります。

喫煙すると、タバコを吸ったり吐いたりする際は必ず口呼吸になりますよね。唾液の減少でさらに細菌が繁殖しやすい環境になるので、膿栓ができるリスクが高くなってしまいます。

喫煙の口臭対策


  • 喫煙後口をゆすぐ

喫煙は唾液の減少でお口を乾燥させてしまうため、タバコを吸った後はすぐにうがいを行いましょう。口内を潤すことで口臭対策につながります。
同様に、水を飲むことでも口内の乾燥を防ぐことができるので、ゆすぐことが難しいという場合はこまめな水分補給を心がけてください。



喫煙で増えてしまった舌苔は、うがいで落とすことができません。しかし、無理にゴシゴシ落とそうとすれば舌を傷つけてしまうことに……。
舌のケアは専用のブラシを用いて、優しく落とすようにしてください。1日1回程度が目安となります。

また、舌ブラシをお口の奥の方まで入れてしまうと嘔吐反射が出やすくなります。無理のない範囲で行ってください。


喫煙で減少してしまった唾液は、ガムを噛むことで唾液の分泌が促すことができます。ガムは、喫煙でお口が乾燥してしまうのを解消するのに効果的なのです。
また、清涼感のあるガムならば一時的にタバコの臭いを消す効果も期待できるので、口臭防止にもつながります。


タバコのヤニはベトベトしていて、歯に汚れが着きやすくなってしまいます。汚れが着いたままになると口臭の原因になってしまうため、タバコを吸った後はすぐ歯磨きをしてください。
歯磨きによってヤニが着きにくく、タバコ臭さも解消することができます。


タバコを日常的に吸っていると着色しやすくなり、その上に汚れが付着します。そして、そこに歯石がたくさん着いてしまうことも少なくありません。
歯石はザラザラとしていて汚れが着きやすく、歯周病のリスクを増やしてしまいます。ご存知の通り、歯周病は口臭の原因のひとつです。

このような悪循環に陥らないためにも、歯科医院で定期的にクリーニングを行い、健康的な口内環境をキープにして口臭を防ぎましょう。


喫煙者には、非喫煙者とは違った口臭の原因が伴います。ご紹介した内容を理解し、正しい口臭予防をしてくださいね。

監修者

歯科衛生士
廣澤尚子
廣澤尚子 氏の近影

ひろさわ なおこ。歯科衛生士。平成14年4月歯科衛生士資格を取得し、美容外科の歯科部門や歯科医院で勤務。歯科衛生士としての経験と知識を生かし、歯科関連の執筆にも多く従事している。

OralFirst
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

歯みがき

お口ケア

お口と健康

お口と美

NEWS