お口ケア
2018.10.09

歯間クリーナーの種類と正しい使い方とは?


日々の歯磨きを、ブラッシングだけで済ませていませんか?
この質問に「YES」と答えた方は、毎日の歯磨きが十分ではないかもしれません。実はいくらていねいにブラッシングしていても、歯ブラシだけでは汚れが取りきれない部分があるのです。

そこで今回は、日々の歯磨きと併用したい「歯間クリーナー」についてお話していきます。どんなアイテムなのか?という基礎的なことから、具体的な使用方法まで詳しく見ていきましょう。

歯ブラシだけでは、歯垢を除去できない?


歯を磨いているときに、磨きにくいと感じる部分はありませんか?例えば歯と歯の間は歯ブラシの毛先が入りにくい部分。食べ物が詰まり、取り除くのに苦労した経験がある方もいるのではないでしょうか。

このように、歯ブラシ一本だけでは磨くのが難しい箇所があります。取りきれなかった汚れは、そのまま歯に残ることになり、結果的に虫歯歯周病など歯のトラブルを引き起こす原因となってしまいます。では、ブラシの毛先が入りづらい歯と歯の間のケアはどうすればよいのでしょうか?

歯間クリーナーを使おう!




歯ブラシの毛先が入りづらい歯と歯の間にある食べカスや歯垢のケアに役立つのが、歯間クリーナーです。歯と歯の間に使用する歯間ブラシデンタルフロスの総称で、歯と歯の間を磨くのに適した形状をしています。

あくまで歯ブラシをサポートするアイテムなので、歯間クリーナーだけ使えば口の中の食べカスや歯垢を全て取り除けるわけではありません。歯ブラシと歯間クリーナー、互いの性能を上手く生かすようにし、併用するのがポイントです。1日1回を目安に使っていきましょう。

また、歯間クリーナーは、歯と歯の間の食べカスや歯垢を除去するという共通点はあるもの、種類によって形状や性能に差があるため、それぞれどんな部分に適しているのかを知ることも大切です。

例えば、歯間ブラシは、柄の先端に細いブラシが付いた形状が特徴的なアイテムで、歯と歯の間の隙間の汚れを落とすのに向いています。デンタルフロスは糸状のアイテムであり、歯ブラシの毛先や歯間ブラシなどでは行き届かない歯と歯が隣接する隙間に適しています。

後ほど詳しく説明しますが、それぞれ形状やサイズなど、さまざまな種類があるので、自分に合ったアイテムを見極めましょう。

歯間クリーナーの使い方【歯間ブラシ編】



ここからは、歯間クリーナーの使い方について説明をしていきます。歯間ブラシを正しく使用するためには、サイズ選びが大切。歯と歯の間にある隙間の間隔は、歯周病で歯ぐきが衰退するだけではなく、加齢と共に変化していきます。その都度自分に合ったサイズのものを選びましょう。一番小さいサイズが合わない場合は、歯ぐきを傷つけてしまうため、無理して押し込まないようにしてください。

また、一口に歯間ブラシといっても、歯ブラシのように柄がまっすぐ伸びた「 I 字型」と、途中で折れ曲がった「 L 字型」の2種類が存在します。どちらも使い方は一緒なので、使うときは歯と歯の隙間に差し込み、ゆっくりと前後に動かしながら食べカスや歯垢をかきだしていきましょう。

ただし、I 字型の歯間ブラシを奥歯に使用するときはそのまま使うのではなく、ブラシの先端を90度に折り曲げてから、隙間に入れ汚れを取り除きましょう。その際、歯ぐきを傷つけないよう、力を入れ過ぎないよう注意してください。

I 字型、L 字型どちらも使い終わったら流水ですすぎ、しっかりと乾燥させてください。ブラシ部分が曲がったら替え時です。古い歯間ブラシは、歯ぐきを傷つけることがあるため、無理して使うようなことはせず、適宜交換しましょう。

歯間クリーナーの使い方【デンタルフロス編】


大きく分けると「フロスだけのタイプ」と「柄が付いたタイプ」の2種類があり、それぞれ見た目も使い方も異なります。どんな使い方をするのか、確認していきましょう。

フロスだけのタイプ


  1.  腕(指先からひじ)の長さを目安にフロスを取り出しカットします。
  2.  カットしたフロスの両端を中指に巻き付けます。
  3.  たるまないように、親指と人差し指でフロスを持ちます。このとき指の間隔は、2cm程度を目安にしましょう。
  4. そのままの状態で歯の隙間に入れ、歯の側面にフロスをあてつつ、歯の面に沿ってフロスを動かし、食べカスや歯垢を絡めとります。
  5.  1カ所磨き終えるごとに、使用した部分をずらし、使用していないフロス部分で2から4までの動作を繰り返しましょう。同じフロス部分を使用し続けてしまうと、せっかく除去できた汚れをまた別の歯に移してしまう恐れがあります。

柄が付いたタイプ

初めて使うという方は、柄が付いたタイプの方が扱いやすいです。柄が付いたタイプF字型とY字型の2種類があります。F字型は、下前歯に使いやすい特徴があります、それに対し、Y字型は、奥歯の汚れを取り除くのに適した形をしています。

使い方は、フロスだけのタイプと同じで、糸の部分(フロス)を歯の隙間に入れ、歯の側面にフロスをあて上下に動かして食べカスや歯垢を絡めとります。

両タイプともに無理にフロスを歯に押しこむと、歯や歯ぐきを傷つけてしまうので、慌てずゆっくりと使うのがポイントです。

「歯間クリーナーを使うのが面倒だ」と思っている方もいるかもしれませんが、過去にフィリップス社が行ったアンケートによると、口の中の老化などにより、歯周病が進行するリスクが高い人ほど、歯間ケアをしていないという結果が出ました。このことから、普段のブラッシングに加え、歯間クリーナーも併用し、すみずみまで歯を磨くことを意識しましょう。
 

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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