お口ケア
2019.02.28

気にする人が急増中!「スマホ口臭」とは?

スマホ口臭という言葉を聞いたことがありますか?
「スマホと口臭、なんの関係があるの?」と思う人も多いかもしれませんが、実はスマホの使いすぎは口臭を悪化させる可能性があるということがわかっています。

もし、朝から夜まで何らかの形で、スマホなどのデジタルデバイスをさわり続けている自覚がある方は、スマホ口臭について注意する必要がありそうです。
ここからは、スマホ口臭が起こる原因と、予防方法について解説していきます。



スマホの過度使用で唾液量が減ってしまう可能性も


まず、スマホやタブレットの過度な使用でどうして口臭が悪化する可能性があるのか、そのプロセスについてみていきましょう。

スマホ利用時は緊張状態?


直接の原因となるのは唾液分泌量の低下だと指摘されています。
唾液は口の中の衛生状態を保つために重要な存在です。

唾液が少なくなることで歯周病虫歯の原因となる菌から歯を保護する力も弱まってしまうと考えられています。さらに唾液の量が極端に少なくなるドライマウス(口腔乾燥症)になってしまうと会話がしにくくなったり、歯周病リスクが高くなったりとさまざまな問題を引き起こします。

スマホを使用していると、長時間同じ姿勢をとりがちになってしまいます。このように身体が緊張状態になると、唾液分泌量が減る可能性も。また、スマホを見るときは往々にして「顔がうつむいた状態」になりやすく、顔がうつむいた姿勢が続くと、顎下腺など唾液が分泌される唾液腺を圧迫してしまいます。

唾液量が減ると口の中に潜む菌の活動が活発になりやすく、特に嫌気性といって空気にふれることを嫌う菌が臭気ガスを発生させます。スマホを使用していると顔の筋肉の動きも乏しくなるため、より唾液の分泌がされにくくなってしまいます。

また、緊張状態におかれると唾液の分泌量が減るということもわかっています。人前で話す時に「口がカラカラに渇いてしまった」という経験がある人ならわかると思いますが、精神状態と唾液の量も密接な関わりがあるのです。

スマホで友達とメッセージをやりとりしたり、SNSを見たりしているときは、リラックスしていると思いがちですが、目や脳はスマホ上にある大量の情報を処理しています。体はゆったりとリラックスしていても脳は絶え間なく動き続けている、という状態であり、唾液の分泌に影響をもたらすと考えられています。

ブルーライトも悪影響?


また、PCやスマホのスクリーン光にはブルーライトが含まれており、これは睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」の分泌サイクルを乱すこともわかっています。ブルーライトは太陽光にも含まれる光の一種。夜間にスマホを使用することで、脳は「今朝なのか夜なのかわからない」という状況に陥ってしまうのです。

このようなストレスが唾液の分泌量を減らし、口臭の悪化という形で現れている可能性があるということも覚えておきましょう。

スマホ口臭を防ぐためには?


スマホ口臭をはじめ、スマホによる悪影響を受けることを避けるためには、できるだけスマホを長時間同じ姿勢でさわり続けないようにするのが望ましいです。寝る直前にスマホをさわることは避け、できれば寝室にも持ち込まないようにしましょう。目覚まし時計を購入すれば、寝室にスマホは必要ありません。

また、口の渇きを実感している方は、唾液分泌を促すマッサージを取り入れてみるのもおすすめです。唾液の分泌をつかさどるのは、顎下腺、耳下腺、そして下腺です。

是非おこなって頂きたいマッサージ方法は、顎下腺というあごの柔らかい部分から耳にかけてのラインを、下から親指で刺激するという方法です。耳下腺は耳のすぐ下にある箇所を、舌下腺はあごの先端部分の内側部分にあり、あごから舌を持ち上げるようにして刺激することで、唾液の分泌をサポートできるといわれています。

>>イラストでわかる唾液腺マッサージの方法

また、食事中にしっかりと噛む習慣をつけることは基本です。ダイエットなどで食事回数を減らしている人も、しっかりと噛んで食事をとるように習慣づけましょう。

唾液の量が少ない人はドライマウスの可能性も


唾液の量が常に少なく、口が渇いて話しづらい、痛みを感じるほどの症状がある場合、ドライマウスの可能性もあります。ドライマウスはストレスなどのほか、加齢や、シェーグレン症候群など特定の疾患が原因になっていることも。もし気になる症状が続くようであれば、医師の診察を早めに受けてください。

今回はスマホと口臭の意外な関係について説明しました。スマホの過度な使用は口臭以外にもさまざまな不調を呼ぶ原因になるため、スマホをさわらない時間をつくることも重要です。

「最近、口臭が気になる」という人でスマホを1日中さわっているという自覚がある人は、ぜひ一度、上記で紹介した対策を試してみてはいかがでしょうか?

監修者

歯科衛生士
粟飯原ももこ
粟飯原ももこ 氏の近影

あいはら ももこ。歯科衛生士。平成18年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科医療をテーマにした執筆や訪問歯科衛生士に関する冊子制作などにも携わる。

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