歯ぐきから膿が出る原因は?応急処置の方法も解説
歯ぐきから膿が出る場合、まずは大前提としてすぐに専門家に診てもらう必要があります。放置してしまうと最悪の場合、歯を失ってしまう危険性も……。
原因として考えられるのは外傷によるものや歯ぐきの炎症などです。しかし、気になるからといって自分でその膿を摘出すると、その傷から感染症が起こる可能性があります。いじらないようにし、病院に行くようにしてください。
歯ぐきから膿が出る理由は炎症や化膿
膿のおもな原因として考えられるのは歯根部分での炎症や化膿です。歯周病のほか、強い力が加わったことにより歯が折れてしまったことが原因となっている可能性も考えられます。
虫歯放置によってできる根尖病巣(こんせんびょうそう)
歯ぐきから膿が出るのは虫歯がかなり進行している状態です。菌が歯髄まで達すると炎症が起こり、化膿してしまいます。
また、過去に治療した部分にも炎症が起こることがあります。これは神経を抜いた歯髄腔部分に細菌が感染することで発症します。
特に治療を途中で中断した場合は、完璧に細菌を除去することができていないことも多く、数カ月~数年後に再発することも考えられます。
治療には「根管治療」という方法があります。これは細菌に感染した部分を削り根管内の細菌や壊死してしまった歯髄を除去するために行うもの。
また症状によっては歯ぐきを切開し膿を出す治療法を選択をするケースも。根管治療や歯ぐきを切開するなどの方法で消毒を行わないと、再発や抜歯の可能性もあるため必ず歯科医院での治療を受けましょう。
歯周病も進行すると膿が出る原因に
もう1つの大きな原因として考えられるのは、歯周病です。放っておくことで歯ぐきが腫れ、化膿してしまう可能性が高まってしまいます。
砂糖を多く含む食品を過剰に食べたり、しっかりと歯磨きなどの口腔内清掃がおこなわれていなかったりする場合には、細菌が繁殖し歯の表面にネバネバした物質を作ります。これをプラークといい、このプラークが唾液成分のせいで硬くなったものが歯石であり、歯周病の原因となります。
歯石に変化すると、歯に強く付着してしまい、剥がすことができないため歯磨きなどのセルフケアで取り除くことは難しくなります。歯周病は、自分では気が付かないうちに症状が進行してしまうことが多く、歯を失ってしまうこともあるため注意が必要です。
そのほかに、強い力が加わり歯の根っこが折れるケースが発生することもあります。折れた部分の割れ目から細菌が入り、膿が出てしまうのです。
歯周病が原因の場合は、専門医でのクリーニング(スケーリング)で歯石を取り除く必要があります。また、腫れや痛みの症状によっては鎮痛剤や抗生剤で症状を緩和させる場合もあります。
外傷の場合は膿の排出や傷がついてしまった患部の消毒も行いますが、損傷の程度によっては折れてしまった歯を修復できないこともあります。
膿は自分で出してはいけない!
膿が出ている場合は自分で刺激して出そうとしてはいけません。死んでしまった細胞や細菌などが多く含まれ不衛生な状態になっています。そのような場合は炎症が強くなっていることが考えられるため、感染症などのリスクを高めてしまいます。
また、激しい運動や飲酒、長時間の入浴も避けましょう。血行を促進する行為は痛みが強くなる恐れがあるためオススメできません。
痛みが我慢できない場合には市販の鎮痛薬を使用しましょう。「ロキソプロフェン」という成分は歯科医院で処方される鎮痛薬にも含まれています。そのため鎮痛薬を選び際には「ロキソプロフェン」が入っているものがよいでしょう。
鎮痛薬の効果が現れるまで、30分程度時間がかかる場合が多いです。すぐに痛みが引くわけではありませんので、痛みが強いからといって既定の用量を超えて服用することはやめましょう。用法容量を守ってお使いください。市販の鎮痛剤を服用して、早めに受診をすることが望ましいです。
もう一つの応急処置としては口内を清潔にすること。膿の症状がある場合には、口内で細菌が繁殖している状況でもあるため、細菌を減らすために殺菌作用のあるうがい薬を使用することも効果が期待できます。
うがい薬を選ぶ際には下記2つのポイントを参考にしてみてください。
- アルコールの入っていないうがい薬を選ぶ
- クロルヘキシジンが主成分となっているうがい薬を選ぶ
アルコールが入っていると口内への刺激が強すぎる恐れがあります。また、クロルヘキシジンは歯周病を予防する作用もあるといわれ、口内の消毒には適しています。
膿が発生している場合は歯周病や虫歯などの、口内の疾患が進行している可能性が高いです。兆候には次のようなものがあります。
- 口内が酸っぱく感じる
- 口臭がある
- 白いできものができている
- 歯が浮いた感じがする
これらの症状がある場合は膿が発生している可能性があります。最悪の場合、歯を失ってしまう可能性などもあるため早めに歯科医院を受診しましょう。