お口と健康
2019.09.30

歯周ポケットはどうしてできる?歯周ポケットへの対処法とオススメのセルフケアグッズ

テレビのCMなどで、歯周ポケットという言葉を一度は耳にしたことがあるのでしょう。では、歯周ポケットはどうしてできてしまうのでしょうか。また、予防法はあるのでしょうか。


今回は歯周ポケットができたときに自分でおこなえる対処法や、オススメのセルフケアグッズをご紹介します。また、歯科医院で受けられる治療法について解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

歯周病が進むと歯周ポケットができる


30代以上の5人に4人は歯周病と言われています。しかし歯周病は国や文化、また時代に関係なく多くの人が悩まされてきました。歯周病とは、歯周病菌によって引き起こされる炎症性疾患のことです。歯周病が進行するに連れて“ポケット”という歯と歯ぐきの溝がどんどんと深くなっていき、この深くなったポケットがまさしく“歯周ポケット”と呼ばれるもの。

歯周病は、以下のようにいくつかのステージにわかれます。

1. 健康な歯ぐき


健康な歯ぐきはきれいなピンク色をしています。歯と歯ぐきの境目のポケットも1~2mmほどです。

2. ステージ1(P1) 歯肉炎


歯周病はまず歯ぐきの炎症から始まりますが、この状態を“歯肉炎”と呼びます。歯ぐきの色は赤っぽくなり、歯磨きをすると出血するなどの症状がみられるでしょう。ポケットは2~3mmになります。

3. ステージ2(P2) 軽度の歯周炎


歯肉炎の状態を放置していると、歯周炎という状況に発展していきます。歯周炎は歯を支えている歯槽骨と呼ばれる骨が、炎症によって溶かされている状態です。歯周ポケットは3~5mmほどに深くなり、ポケットの中にプラーク(細菌の塊)が溜まっても歯ブラシで取れないため、ポケットの中に歯石もできていきます。

4. ステージ3(P3)中程度の歯周炎


歯周病がさらに進行すると、歯槽骨がさらに溶かされていきます。本来の半分ほどの量にまで減るため、歯を支えるのが難しくなり、グラグラと揺れ始めるでしょう。口臭が強くなり、歯周ポケットも5~7mmほどに深くなります。

5. ステージ4(P4) 重度の歯周炎


さらに歯周炎が進行すると、歯槽骨がかなりの程度と溶かされます。歯を支えきれなくなるため、グラグラが強くなって噛むことが難しくなるでしょう。歯ぐきから膿が出ることも多く見られます。歯周ポケットも7mm以上になり、場合によっては抜歯しなければなりません。

このように、歯周病が進行すれば進行するほど歯周ポケットも深くなります。深くなってしまうと歯ブラシがポケットの奥まで届かないため、汚れがたまり続けてしまうでしょう。徐々に歯石に変わり、歯ぐきの炎症が治まることがないため、歯周病は進行していきます。

歯周ポケットが出来てしまった時に歯科医院でしてもらえること


歯周ポケットが深くなってしまうとセルフケアだけでは対処できず、専門家による歯周治療を受けなければなりません。歯周治療の中には、歯周基本治療と歯周外科治療の大きく分けて2種類あります。

  • 歯周基本治療

歯周基本治療の中に、スケーリングとルートプレーニングが含まれます。スケーリングとは専用の機械を使用して、歯ぐきの上や歯周ポケットの中にあるプラークや歯石を落とすことです。プラークは歯ブラシでも落とせますが、歯石になってからは落せません。

そのため、専門家によるお掃除を受けることが必要です。ルートプレーニングはスケーリング後の歯の面をツルツルに仕上げて、汚れが再び付きにくくします。

  • 歯周外科治療

歯周基本治療を受けてもなかなか歯周ポケットが改善されない場合、外科治療をおこなうことがあります。歯周外科治療の中には、フラップ手術という歯ぐきを切開して歯周ポケットの奥深くにある歯石を落とすものや、失われた歯周組織を再生するものがあります。

それぞれの適応は患者さんごとに異なりますので、担当医によく相談しましょう。

歯周ポケットの改善にオススメのセルフケアグッズ



歯周ポケットを改善するには、患者さん自身がおこなうセルフケアが大切です。ここで、オススメのセルフケアグッズをご紹介します。


ワンタフトブラシは歯ブラシよりも小さなブラシで、部分磨きにおすすめです。歯と歯の間やポケットの深いところ、親知らずの周りなど通常の歯ブラシでは届かないところを磨くことができます。歯ブラシと併用して使いましょう。


歯と歯の間は歯磨きでは磨けないため、歯間ブラシやデンタルフロスを使用する必要があります。夜は必ず歯間部分を清掃しましょう。

歯周ポケットを改善する歯磨きの方法


歯周ポケットを改善するには、歯磨きの正しい方法もマスターしなければなりません。磨くときは、以下のようなポイントに注意してください。

  • 歯ブラシは小刻みに動かす

歯ブラシを大きく動かしてしまうと、細かい所の汚れは落とせません。1本ずつ磨くことを意識しましょう。

  • 優しい力で磨く

正しいブラッシング圧は150~200gです。ゴシゴシ強く磨かないように注意しましょう。

  • 歯周ポケットの中を磨く

歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目やポケットの中を磨くことも大切です。できるだけ歯ブラシの毛先がポケットの中に届くように、歯に対して斜め45°の角度で磨きましょう。


一度失った歯槽骨は、基本的に戻ってきません。歯科医院でおこなう治療、正しいセルフケアを通して歯周ポケットを改善・予防していきましょう。

監修者

歯科衛生士
棚橋沙紗
棚橋沙紗 氏の近影

たなはし さあしゃ。歯科衛生士。平成22年3月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科領域のコラム執筆などにも従事。

OralFirst
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

歯みがき

お口ケア

お口と健康

お口と美

NEWS