子ども用の歯磨き粉は必要?選ぶポイントは?
お子さんが使う歯磨き粉、何を基準に選んでいますか?大人と同じものを使わせている、というお父さんやお母さんもなかにはいらっしゃるかもしれません。
しかし、お子さんに使わせる歯磨き粉は大人と同じものではなく、子どもに合ったものを選ぶのがよいとされています。
それはなぜなのでしょうか。また、どんなものを選べばいいのでしょうか?
今回は、使い始めるタイミングや選び方など、子ども用の歯磨き粉について詳しくご紹介します。
お子さんが歯磨き粉を使い始める時期の目安は?
虫歯予防のために、お子さんにも歯磨き粉を使わせてあげたいというお父さんやお母さんも多いでしょう。
しかし、どのタイミングでお子さんに使わせ始めるのかということは、少し慎重にならなければいけません。
子どもが歯磨きを始める目安は下の歯が生え始めたころ(約6~9カ月)。しかし、本格的に歯磨き粉を使い始めるタイミングはもう少し先。口の中をすすげない期間は、飲み込んでしまう心配があるため、一人で口の中をすすげるようになってから使ってみましょう。
では、お子さんが使う歯磨き粉はどんなものを選べばいのでしょうか?ここからは選ぶ上で押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
子ども用歯磨き粉選びのポイント1「フッ素の配合」
乳歯は生え変わるから虫歯は気にしなくていいと考えている親御さんもなかにはいるかもしれません。
しかし、乳歯は、永久歯よりもやわらかく、虫歯になりやすい傾向があるとされています。乳歯の虫歯が、次に生えてくる永久歯に影響を与えることもあるので、子どものころからしっかりと虫歯予防をしていきましょう。
子どものときの虫歯予防としておすすめなのが、「フッ素」が配合された歯磨き粉です。
フッ素は、歯の再石灰化や、強化、細菌の活動抑制などが期待できる成分。日本では現在、1,500ppmまでのフッ素濃度を持つ歯磨き粉がありますが、6歳未満の子どもに使えるのは1,000ppmまで。1,000〜1,500ppmのフッ素濃度のものは使用しないように注意しましょう。
また、フッ素入りの歯磨き粉をお子さんが使う場合、歯ブラシに付ける量にも配慮が必要です。最初は少しだけで、年齢を重ねるごとに量を増やすようにしましょう。量の目安は次のようになっています。
- 6カ月~2歳ごろ……爪の先程度にし、仕上げ磨きで使用
- 3~5歳……5mm以下程度出し、寝る前に使う
- 6~14歳……寝る前に、約1cmを目安に使用
- 15歳以上……大人と同様、1~2cmを目安に使用
なお、フッ素入りの歯磨き粉を使ったあとに口をすすぐときは、すすぎ過ぎに気を付けましょう。
すすぎ過ぎると口の中にフッ素が留まらなくなってしまいます。1回程度におさえてください。
子ども用歯磨き粉選びのポイント2「発泡剤と研磨剤に注意」
歯磨き粉の中には、虫歯予防やプラーク除去などを目的とした薬用成分のほかにも、さまざまな成分が含まれています。
そのなかでも、子ども用のものを選ぶときに注目したいのが、「発泡剤」と「研磨剤」です。
発泡剤は歯磨き粉の泡を立ちやすくし、口のすみずみまでいきわたらせてくれる成分です。しかし、口の中が泡だらけになってしまうことで実際には磨けていないにも関わらず、磨けた気になってしまうというデメリットがあります。
また、口の中も見えにくくなってしまうため、仕上げ磨きをする際にお子さんの口内をよく確認できないということも考えられます。できるだけ、発泡剤が少ないものを選ぶようにしましょう。
また、研磨剤が入っていることもあります。研磨剤は歯の汚れを落としてくれる一方で、量によっては歯を傷つけてしまうこともある成分です。乳歯は柔らかく、傷つきやすい歯です。できる限り、研磨剤の入っていないものを選択しましょう。
子供用歯磨き粉選びのポイント3「子どもの好む味に」
大人用歯磨き粉の味といえば、スーッとした爽快感のあるものが多いですよね。しかし、子どもの場合、この爽快感を辛いと感じてしまうこともあります。
本来歯磨きを助けるはずの歯磨き粉の味が受け付けられずに、ブラッシングを苦手に思ってしまっては元も子もありません。
そこで、チェックして欲しいのが味。最近では、いちご味やぶどう味など子どもが好みそうな味が付けられたものも登場しています。
甘い味をしているものもありますが、虫歯になる成分は入っていません。お子さんが喜びそうな歯磨き粉を使って、楽しく歯を磨きましょう。
子どもの頃の歯磨きの目的は、単に歯垢を取り除くだけではありません。お子さんがひとりで歯磨きができるように、習慣づけるという目的もあります。歯磨き粉が苦手でブラッシングを嫌がるということがないように、お子さんに合った歯磨き粉を選んであげましょう。
歯磨きの多くは、配合された成分によりブラッシングの効果を高めてくれます。
今回ご紹介した3つのポイントを押さえつつ、お子さんが楽しみながら歯を磨ける環境を整えてあげてください。