口内炎、なかでも血豆のようなものができたときの対処法は?
口内炎は疲れたときや体調が悪いときに出やすいといった傾向がありますが、それぞれに特徴を持ち、なかにはウイルス性で感染するものもあります。また、治りにくいもののなかには悪性化しやすい口内炎も。
血豆のような口内炎の種類について、それぞれの対処法を含めながらご紹介していきます。
血豆のような症状の出る疾患の種類
<再発性アフタ>
再発性アフタは、いつの間にかお口の中や頬に円形や楕円形の潰瘍ができ、さわると痛みを伴う潰瘍です。はっきりとした原因がわからないことが多く、発生要因としては以下のようなものが挙げられます。
- 合っていない義歯を使用して頬をかんでしまう
- ホルモンバランスの変化
- ビタミンの欠乏 など
主に口内に傷がつき、その部分に細菌が繁殖してできてしまうと考えられています。抵抗力が弱いと細菌が増殖しやすくなるので、再発性アフタのリスクが高まるでしょう。
原因がはっきりしていれば、その原因を対処することで再発は少なくなります。しかし再発性アフタは原因不明ということが多く、繰り返し発症する傾向が強い疾患です。
<カタル性口内炎>
カタル性口内炎は免疫力が低下しているとき水ぶくれや赤い腫れが見られ、頬を噛んでしまう、あるいは薬や火傷などが原因でできることが多い口内炎です。
赤く縁どられたアフタ性口内炎と比べ、カタル性口内炎は境目がはっきりとしません。
<紅板症>
紅板症は舌や歯肉などに見られ、鮮紅色で境界が不明瞭なものが多いでしょう。症状は刺激によって痛みが出ることが多く、前がん病変と呼ばれます。
50%程度の方が悪性になるので、早めの治療が望ましい病気です。
<ヘルペス性口内炎>
感染することのある口内炎で、ヘルペスウイルスが原因のヘルペス口内炎があります。
ヘルペスはそれほど珍しいウイルスではなく、一度感染すると身体の中にすみ続けるといわれています。そのウイルスが疲れや体調不良で免疫力が低下しているときに増殖して、口唇ヘルペスとして現れるのです。
口唇ヘルペスのある状態は、唾液や水泡のウイルスがたくさんいると考えられています。
集団生活において、タオルやコップなどでも移る可能性が高くなるでしょう。初めてヘルペスウイルスに感染すると、口の中に多くの水疱ができて高熱が出ます。
この口内炎は高い確率で痛みが生じ、初めて感染するのは子どもというケースが多くなっています。特に、食事を取ることが困難になることの多い口内炎です。
<手足口病>
夏場に流行するウイルスの感染症です。就学前の子どもがかかることが多く、特に2歳以下の乳幼児が多く感染する病気となります。
口や手足の発疹が出ることが多く、熱は上がっても37℃程度であまり高くないのが特徴です。一度感染すると免疫を獲得するので、大人になってから発症することの少ない病気となります。
血豆の症状の対処法とは?
<再発性アフタの対処法>
再発性アフタは原因がわからないが多いので、対処療法をおこないます。一般的にはステロイドの軟膏(ケナログ・アフタゾロン)や貼るタイプの治療薬、口内を清潔にするために殺菌効果の高いうがい薬などを使用します。
また、頬を噛みやすい場合には入れ歯の調整や被せ物のかみ合わせを確認するなど、外傷要因を取り除く必要があります。治療薬と外傷要因を取り除くことで、2週間程度で治癒することが多いでしょう。
<カタル性口内炎の対処法>
この口内炎の対処法は、刺激や傷の原因を取り除くことが必要です。熱い、あるいは辛い食べ物などは刺激が強いので、控えるようにしてください。
また、入れ歯や矯正器具などが原因で傷が生じている場合は、歯科医院に相談して調整するようにしましょう。そのほかは再発性アフタと同様にビタミン剤や痛み止め、軟膏などで対処します。
<紅板症の対処法>
前がん病変なので、外科的処置を行って切除をすることが望ましいでしょう。悪性化する可能性があるので、手術後も定期的に検診して経過観察してください。
<ヘルペス性口内炎の対処法>
ヘルペス性口内炎が酷い場合は、抗ヘルペスウイルス薬が投薬すると数日で熱が下がり症状が回復します。ただし高熱によって脱水症状が出ている際は、入院して点滴で対応することもあります。
それほど症状が重くない場合には、痛み止めやビタミン剤などで対処して様子をみることもあるかもしれません。
<手足口病の対処法>
手足口病には特別な薬がありません。そのため、症状が改善するのを待ちます。口内炎があると食事しにくいので、食べやすくのどごしがよいものを食べて免疫力をつけましょう。
最初は、ゼリーや果物のすり下ろしたものがオススメです。また、かゆみが強い場合には、塗り薬を処方されることがあります。
血豆のような口内炎にはいくつかの種類がありますが、免疫が落ちている際にできることが多いとされています。生活習慣を改善してゆっくり休養をとることが、治療の一つという場合も少なくありません。口内炎ができたら、まずは生活習慣の見直しをしてみてください。
対処療法で落ち着くことの多い口内炎ですが、2週間以上を経過して治らない場合には、悪性の可能性も出てきます。その際は、専門の口腔外科に相談しましょう。