お口と健康
2018.10.03

虫歯の放置は危険。治せるうちに対処を!


虫歯とはどんな状態のこと?


まず、虫歯とは、どのような状態のことをいうのでしょうか。
虫歯とは歯に付着した細菌(虫歯菌)が生み出す酸により、歯質が溶かされる状態をいいます。

もう少し専門的にいうと、歯垢(プラ-ク)内部の酸性度が長時間に渡って歯の質の臨界pH(水溶液の水素イオン濃度の量)を超え、エナメル質の脱灰と再石灰化の平衡バランスが崩れて、脱灰が進む疾患ということになります。

この虫歯には、5段階の進行度による分類があります。

虫歯の進行の段階と特徴を知っておこう!


虫歯はその進行の段階によって、「CO」「C1」「C2」「C3」「C4」の5段階に分かれます。
少し専門的ですが、確認しておきましょう。


要観察の第1段階「CO」

虫歯になる前である要観察歯のことを指します。かむ面にあるくぼみ(裂溝)に褐色や黒色といった着色、あるいは滑らかな面の白濁や褐色斑がみられるものの、エナメル質の軟化や実質欠損が見られない状態です。

エナメル質のみの第2段階「C1」

歯の表面のエナメル質に限った虫歯。

エナメル質から進行した第3段階「C2」

エナメル質の下にある象牙質に達した虫歯。

神経まで達する第4段階「C3」

歯の神経(歯髄)に達した虫歯。C2が進行して歯髄近く、または達するほどの大きな虫歯(仮性露髄)の状態になるか、歯の神経である歯髄が入っている歯髄腔に達した状態です。

歯肉から上が崩壊した第5段階「C4」

歯肉から出ている部分である歯冠部が崩壊し、残根状態になった虫歯です。


治療して治せる段階はどこまで?


歯科医院では定期検診の受診を推奨していますが、その理由は病気の早期発見ができるから。
初期虫歯の段階で発見できれば、生活習慣の改善や歯科指導を受け、削らずに済む段階で虫歯の進行を止められるでしょう。

生活習慣の改善による虫歯の進行コントロールで、大きくメリットのある段階は「CO」です。しかし「C1」まで進行すると、歯の外形が少し崩れてしまいます。

初期虫歯の段階であれば、まず歯科医院で定期的なメインテナンスを受けましょう。フッ素の入った歯磨き剤でブラッシングするセルフケア、そして虫歯の大きな原因である糖の摂取コントロールによって、少しずつ密なエナメル質を取り戻せます。生活習慣を見直し、歯を守ってあげてください。

エナメル質に限局した「C1」は、エナメル質が崩れ始めている虫歯です。
崩れてしまった箇所は戻ってきませんが、この段階でも早期発見によって改善できることはあります。

「C1」は初期虫歯と同様、定期的なメインテナンスやフッ素を使ったブラッシング、糖のコントロールなど生活習慣を改善することで、削らずに経過観察する方法が取られることがあるでしょう。この段階であれば、管理次第で虫歯の進行を止められると言われているのです。

虫歯は本来、急性の病気ではありません。生活習慣が原因にとなって少しずつ進行しますので、定期的な受診が早期発見の鍵となるでしょう。「CO」~「C1」であれば削って詰めるような処置をせずに済むため、定期検診を受診することを推奨します。

次は虫歯を放置した場合の危険について、説明していきます。

監修者

歯科衛生士
田仲真菜美
田仲真菜美 氏の近影

たなか まなみ。歯科衛生士。平成27年4月歯科衛生士資格を取得し、歯科医院にて勤務。歯科領域のコラム執筆などにも従事。

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